研究課題/領域番号 |
23K23357
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補助金の研究課題番号 |
22H02089 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34010:無機・錯体化学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
田原 淳士 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (50713145)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2026年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
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キーワード | 有機金属化学 / 錯体化学 / 結合活性化 / 金属-配位子協同作用 / C-H結合活性化 / 計算科学 |
研究開始時の研究の概要 |
天然ガスや石油・石炭に含まれる単純炭化水素の分子変換・高機能化は重要な課題であるが、対象とする結合の活性化が困難である点や、望んだ位置で新規結合を形成する選択性がしばしば課題となる。本研究では、イリジウム-ホウ素結合によって温和な条件でのアルカン・アレーンの脱水素ホウ素化が進行するという報告に着想し、基質としてではなく配位子としてホウ素骨格が導入された多座配位子を有する新規錯体を合成し、単純アルカンやアレーンの活性化および分子変換反応の達成を目的とする。
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研究実績の概要 |
天然ガスや石油を構成するメタンやアルカン、アレーンといった単純炭化水素は化学的に安定であり、超高圧・高温といった従来法に替わる次世代の分子変換法の開発が求められる。化学的に安定なC-H結合を効率的に活性化する手法として、触媒への近接を促進する配向基を基質に導入する手法が存在するが、上述した単純炭化水素は配向基を持たないため、新たな触媒設計指針が求められる。本研究では、イリジウム-ホウ素結合によって温和な条件でのアルカン・アレーンの脱水素ホウ素化が進行するという報告に着想し、基質としてではなく配位子としてホウ素骨格が導入されたBNNB型多座配位子を有する新規錯体を合成し、単純アルカンやアレーンの活性化および分子変換反応の達成を目的とする。 本研究では2,2'-ビピリジンの6,6'-位に種々のアミノアルコールをメチレン鎖で連結した一連の配位子前駆体を導入し、これらとイリジウム触媒前駆体を用いて、単純炭化水素であるベンゼンの脱水素ホウ素化に活性を示すことを見出した。またBNNB配位子の構築に向け、種々の有機ホウ素試薬と配位子前駆体との反応を検討する過程において、ホウ素源としてフェニルボロン酸を用いた際に、対応するビフェニルが生成することをGC-MSにて確認した。本結果は期待される反応様式における炭素-炭素結合の形成過程を形式的に捕捉した貴重な成果であり、今後の反応設計に大きな知見を与えた。これらの成果は国内学会にて発表し、1件の発表賞を受賞した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当該年度で予定していた配位子合成について一連の知見を得ることに成功している点に加え、当初想定していなかった結果として、一部の触媒系においてある有機分子の位置選択的な二量化反応を進行させることが判明しており、研究の加速度的な拡張が期待される。
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今後の研究の推進方策 |
今後は合成した配位子を用いて新たな触媒反応の開発に努めるほか、【現在までの進捗状況】に記載の二量化反応について、反応条件の最適化を実施する。
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