研究課題/領域番号 |
23K23368
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補助金の研究課題番号 |
22H02100 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34020:分析化学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
吉信 達夫 東北大学, 医工学研究科, 教授 (30243265)
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研究分担者 |
宮本 浩一郎 東北大学, 工学研究科, 准教授 (70447142)
WERNER Frederik 京都工芸繊維大学, 電気電子工学系, 助教 (90791434)
郭 媛元 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 准教授 (60815992)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
14,690千円 (直接経費: 11,300千円、間接経費: 3,390千円)
2025年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2024年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
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キーワード | 化学センサ / 化学イメージセンサ / バイオセンサ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、申請者らが開発を行ってきた光アドレス型化学イメージセンサをさらに発展させ、試料を載せるだけの簡便な操作により1枚のセンサプレートで複数の種類のイオンや分子の濃度分布を同時に画像化することができる「マルチアナライト化学イメージセンサ」を実現するため、測定したい各化学種に応答する複数の種類の感応膜を1枚のセンサ面上に集積する方法と、それらの応答を高速に読み出す装置を開発することによって、それぞれのイオンや分子の濃度分布が反応や拡散に伴って変化する過程を同時にイメージングすることができる汎用的な分析化学プラットフォームを実現し、さまざまな測定対象についてその有用性を実証する。
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研究実績の概要 |
本研究は、1枚のセンサで複数の種類のイオンや分子の濃度分布を同時に画像化できる「マルチアナライト化学イメージセンサ」の実現を目的としている。従来、1枚のセンサで測定できる化学種は1つに限られていたたが、本研究では測定したい各化学種に応答する複数の感応膜を1枚のセンサ面上に集積する方法と、それらの応答を高速かつ正確に読み出す機構を開発することによって、目的の達成を目指している。 本年度は昨年度に引き続き、各種イオノフォアを含有する高分子膜をセンサ面上に作製し、感度や測定限界の違いを調べた。センサ面とイオン感応膜の密着性や、得られるスロープ感度の再現性に課題があったが、センサ面と各感応膜の間に画素の大きさに対応する導電性の下地層を設けることによりこれらの課題を解決できる見込みを得た。また、光走査によって多数の感応膜から正確に信号を読み出すための機構についても、昨年度に引き続き改良を進め、100万画素の画像を読み出せるようになった。 実用上問題になると思われる、試料溶液と半導体基板との容量結合による信号電流のロスについて、MIS構造における実験と回路モデルの解析により周波数特性などを調べ、感応膜アレイを有するセンサ構造において高周波動作を可能にする方法について検討を行った。 本システムの生物学的応用のため、センサ面上に設けた多数の培養チャンバに微生物を含む培養液を自動分注できるシステムの開発を行ったほか、植物根の生育をモニターする実験を行った。また、化学イメージセンサと各種電気化学システムを複合するための各種制御回路の開発を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
100万画素の読み取りを行うハードウェア・ソフトウェアを作成し、センサ面上の多数の感応膜アレイから効率よく信号を読み出す準備を終えた。
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今後の研究の推進方策 |
多種イオンの空間分布を測定するため、各イオンに応答するイオン感応膜アレイを化学イメージセンサのセンサ面上に制御性よく作製する条件の最適化をさらに進める。 ミクロン単位の画素間隔で位置再現性よく約100万画素の走査を行うことができる装置を試作したので、実際にいくつかの測定対象について各種イオンの画像を取得して解析を行い、さらなる測定の高速化を目指す。 測定対象溶液と半導体基板との容量結合による信号電流のロスは特に高周波数で問題となり周波数多重化による測定高速化の障害となる。本研究で用いるイオン感応膜アレイを有するセンサの場合、感応膜以外の部分のインピーダンスを大きくすることでその影響を小さくできると期待されるので、そのためのデバイス構造について検討する。 イオノフォアを用いたイオンセンサへの応用に加え、センサ表面を酵素や抗体で修飾することによって、生体分子や生体関連物質の画像化を行うことができるバイオイメージセンサへの応用に関する研究を行い、本センサを応用できる分野を開拓していく予定である。
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