研究課題/領域番号 |
23K23381
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補助金の研究課題番号 |
22H02113 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34020:分析化学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
橋口 幸治 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (00712506)
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研究分担者 |
斉藤 郁彦 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (50710620)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
11,830千円 (直接経費: 9,100千円、間接経費: 2,730千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 同位体比測定 / キャビティリングダウン分光法 / 三重点温度 / キャビティリングダウン分光法(CRDS) / レーザー分光 / キャビティリングダウン分光法(CRDS) |
研究開始時の研究の概要 |
水の同位体比を測定毎の校正(検量線の作成)なく高精度に測定可能な技術を開発する。キャビティリングダウン分光法(CRDS)を応用し、それぞれの同位体の吸収係数を同時に測定することで、外部環境の影響のない同位体比測定を可能にする。また、同位体比の測定できた水の三重点温度の精密測定を行い、同位体比が水の三重点温度に与える影響を評価する。温度計校正に必須な温度定点である水の三重点温度の精度を向上させ、温度計校正の信頼性の向上に繋げる。
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研究実績の概要 |
水の同位体比を高精度に測定可能な技術の開発を目指して、キャビティリングダウン分光法(CRDS)を用いた測定装置の高度化を進めた。 存在率の低い、17Oの含まれた水の同位体の測定を可能とするために、他の水の同位体の影響を避けて測定(吸収線の重なりを減らした状態で測定)できるように、減圧した状態でかつフリンジノイズの影響の少ない状態での測定を可能にした。関連した内容について国際発表を行った。 また、開発してきた高精度な微量水分測定装置を用いて標準ガスの測定を行い、詳細な解析を行うことで、吸収線の吸収強度をはじめとした各分光パラメータをSIトレーサブルに決定することができた。この結果について、論文投稿を行い、掲載された。 さらに、17Oの含まれた水を測定できるように装置の拡張を進めた。実際に17Oの含まれた水の吸収スペクトル測定に成功し、通常の水と存在比の低い水の同位体の吸収スペクトルを同時に測定することもできた。 同位体比の測定に向けて、同位体比の定まった水の発生装置についての検証も進めた。 温度計校正に必須な温度定点である水の三重点温度の精度向上に向けて、同位体比が水の三重点温度に与える影響を評価することを目指し、水の三重点温度の精密測定手法の開発を進めた。精密測定に必要となる装置の断熱シールド部分の準備を行った。また、同位体比の定まった水をアンプルに充填してサンプル試料封入セルを作成する手法の検討を進めた。酸水素バーナーを用いて石英ガラス管への水の減圧封入を試みた。水を入れた石英ガラス管内部を減圧し、石英ガラス管の先端部分を冷却した状態で、電気分解式の酸水素バーナーで加熱して封じ切りを試みた。石英管を振り、水の三重点セルにみられるウォーターハンマーによる鈍い音が確認できたことから、封入は成功したと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
同位体比を高精度に測定するための装置の開発を進めることができた。減圧した状態でかつフリンジノイズの影響の少ない測定を可能にし、吸収スペクトルを高精度に測定することを可能にした。また、標準ガスを測定し、詳細に解析することで、各分光パラメータをSIトレーサブルに決定することができた。さらに、17Oの含まれた水の吸収スペクトル測定に成功し、通常の水と存在比の低い水の同位体の吸収スペクトルを同時に測定することもできた。 不純物の影響なく三重点温度を測定可能な手法の実現に向けて、純度測定装置の断熱シールド部分の準備を進めることができた。また、同位体比の定まった水をアンプルに導入する手法の検討も進めることができた。酸水素バーナーを用いて石英ガラス管への水の減圧封入を実現することができた。
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今後の研究の推進方策 |
17Oを含んだ水をはじめとした、存在比の少ない水の各同位体の吸収スペクトルの精確な測定を目指す。測定して得られたスペクトルの解析方法の検討を進め、水分量を精確に測定できるようにする。水の各同位体の吸収スペクトルを解析して得られた結果と分子分光データベースの比較・検証を行う。 異なる水の同位体の吸収スペクトルを同時に測定し、水の同位体比を精確に測定できるようにする。同位体比測定に最適な吸収線の検討を進める。 同位体比の定まった水を発生可能な発生装置の作成を進める。大気中の水の影響や不純物の影響を受けずに発生可能にすることを目指す。アンプル内の水をそのまま発生装置内に導入可能となる方法の検討を進める。 同位体比の三重点温度に与える影響を評価できるように、同位体比の違いによる三重点温度の違いを測定することを目指す。不純物が水の三重点温度に与える影響についても評価できるようにする。純度測定装置の構築を進め、純水のガラス管封入技術の開発を引き続き行う。
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