研究課題/領域番号 |
23K23384
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補助金の研究課題番号 |
22H02116 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34030:グリーンサステイナブルケミストリーおよび環境化学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
柴田 悦郎 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (70312650)
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研究分担者 |
安達 謙 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (10880057)
飯塚 淳 東北大学, 環境科学研究科, 教授 (70451862)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2024年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2022年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
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キーワード | スコロダイト / ヒ素 / 非鉄製錬 / 安定固定化 / 湿式処理 / 安定同位体 |
研究開始時の研究の概要 |
本課題の固体酸化鉄(III)を原料としたスコロダイト(Fe(III)As(V)O4・2H2O)結晶の合成法は、常圧下においても粗大結晶粒子の合成が可能である。本合成法では、Fe(III)とともに Fe(II)が必須のゲル状前駆体が生成し、ゲル状前駆体の消失とともにスコロダイト結晶粒子が生成する。本課題では、溶液中のFe(II)の一部を安定同位体鉄(54Fe)に置き換えた合成実験、電気化学的手法による溶液と固体酸化鉄(III)間の酸化還元(Redox)反応機構の調査ならびにスコロダイト析出の形態学的評価を行うことで、スコロダイト合成機構の解明を行い、プロセス最適化(合成条件の最適化)を目指すものである。
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研究実績の概要 |
本年度はスコロダイト合成反応に直接関わる局部電池のアノード反応に焦点を当て、Fe(II) とAs(V) を含む電解液のアノード分極挙動を解析した。実験では、空気による酸化の影響を避けるために、密閉ビーカー電解液に入れて窒素ガスバブリングにより充分に脱気を行った後に電気化学測定を行った。スコロダイトが生成する条件では、アノード分極の際に電極表面がスコロダイトやゲル状前駆体で被覆された。そのため電極の有効表面積が減少して溶液からのFe(II)の供給が制限されることで、電流値はピークを生じたのちに減少した。Fe-As(V)-H2O系の電位-pH 図から予想されるスコロダイトが生成しないpH条件でアノード分極挙動を調査したところ、アノード電極表面でスコロダイトは生成せずにFe(II)が酸化されることで電流が単調に増大した。また、スコロダイト生成条件で定電位電解を行った際のアノード電極表面をSEMで観察することで、電極表面でのFe(II)の酸化によりファセット状のスコロダイト結晶が生成することも確認した。さらには、電極がほとんど被覆されていない平衡電位付近での分極曲線から交換電流密度を求めることでスコロダイト合成反応速度を調査した。溶液温度を変化させてアノード分極挙動を調査すると、ネルンストの式に従って液温が高くなるほど平衡電位が卑にシフトするとともに、高温ほど交換電流密度が高くなっていた。これより、スコロダイト合成反応においては高温ほど反応が速くなる傾向を明らかにすることが出来た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
スコロダイト合成反応に関する電気化学測定が順調に進んでおり、多くの知見を得ることが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、本年度に引き続き、電気化学的手法を用いてスコロダイト合成反応速度に及ぼす溶液組成等の影響を調査する予定である。また、ヘマタイトと同様に酸化鉄(III)であるマグネタイトのスコロダイト合成への利用を検討するために、合成溶液中のマグネタイト表面でのスコロダイト析出を顕微鏡観察等により詳細に調査することも計画している。
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