研究課題/領域番号 |
23K23389
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補助金の研究課題番号 |
22H02121 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34030:グリーンサステイナブルケミストリーおよび環境化学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
齋藤 敬 京都大学, 総合生存学館, 教授 (00386640)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2025年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2024年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 10,530千円 (直接経費: 8,100千円、間接経費: 2,430千円)
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キーワード | 循環型材料 / グリーンケミストリー / リグニン / バイオマス / エコマテリアル / 可逆高分子 / 循環型高分子 / 環境調和高分子 |
研究開始時の研究の概要 |
リサイクル性の高いダイナミックポリマー(可逆高分子)を循環型材料の観点から最適化するため、本研究では、自然界由来のバイオマス、特にリグニン由来物質を用いて、光可逆ダイナミックポリマーを創成する。本研究は現在その利便性の高さから多く使用されているが、環境の面から憂慮されている高分子材料を排除する形ではなく、進化させることで脱炭素・循環型社会の一角を担う形へと昇華させるものである。
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研究実績の概要 |
次世代の循環型材料として期待されている、リサイクル性の高いダイナミックポリマー(可逆高分子)がある。しかし、これらポリマーの合成も、未だ循環型材料の観点からは最適化されていない。そこで本研究では、自然界由来のバイオマス、特にリグニン由来物質を用いて、光可逆ダイナミックポリマーを創成する事を目的とする。その目的達成のため、以下の3つを推進する。 1.単量体を食料ではないバイオマス由来材料から合成する。 2.ポリマーの合成に、自在分解可能な光可逆反応を採用する。 3.ダイナミックポリマーのガラス転移温度(Tg)と機能特性の相関理解から、自己修復材料および再利用可能な接着剤へと応用する。 一年目の本年は、リグニン由来物質を用いてダイナミックポリマーを合成し、循環型材料、特に再利用可能な接着剤へと展開を試みた。具体的には、バニリンとカルボン酸とのKnoevenagel-Doebner重縮合により星形単量体を合成した。次に、合成した単量体を光照射する事で重合させ、ダイナミックポリマーを生成し、その構造を同定した。ダイナミックポリマーの分解も、同様に光照射する事で進行するため、その分解性をゲル浸透クロマトグラフィー、質量分析法、紫外可視近赤外分光光度計、核磁気共鳴装置を用いて解析した。最後に、生成したダイナミックポリマーの接着剤としての物性を、示差走査熱量測定装置、熱重量分析、静的引張試験機等で評価し、接着剤として応用可能であることを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、まずはリグニン由来物質を用いてダイナミックポリマーを合成し、再利用可能な接着剤として開発、その成果を学術論文という形で発表した。
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今後の研究の推進方策 |
リグニン以外の自然界由来物質からの単量体合成を試み、その単量体を用いた材料開発を進めていく。単量体、中間体の光反応性、およびそのガラス転移温度を正確に予測設計することが、材料展開には必要となる。単量体の重合には、単量体同士の反応部位が容易に隣接する必要があり、その重合のし易さは光反応部を繋ぐリンカーの長さ、柔軟性に依存する。そこで、単量体の合成を進めると同時に、その構造と光応答性の相関を理論化学の演算的アプローチからも導き出す。
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