研究課題/領域番号 |
23K23408
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補助金の研究課題番号 |
22H02140 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35020:高分子材料関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
西村 智貴 信州大学, 学術研究院繊維学系, 助教 (60648070)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2024年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 10,790千円 (直接経費: 8,300千円、間接経費: 2,490千円)
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キーワード | イオンチャネル / ブロックポリマー / 自己組織化 / 人工イオンチャネル / ブロックコポリマー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、両親媒性ブロックポリマーを基盤として、細胞機能の制御に欠かせないイオンチャネルの創出を目指す。本研究の計画は、まず、イオン親和性を付与した両親媒性ブロックポリマーを合成する。その後、 ポリマーをリポソーム(モデル生体膜)と混合し、組み込み能やドメイン形成の確認とその構造解析を行う。また、ナトリウムやカリウムなどのイオンチャネル能の評価を行う。さらに、細胞にポリマー集合体を添加し、カリウムイオン流入による細胞死誘導からチャネル能を評価する。加えて、くすりとしての機能評価として細胞死誘導による担がんマウスでの抗腫瘍効果の評価を行う。
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研究実績の概要 |
本研究では、天然イオンチャネルのイオン透過能をもたらす分子機構を模倣して、特定のイオンを選択的に透過するブロックポリマーイオンチャネルを創製することを目的とした。本年度は、特定のイオンへの親和性を有する両親媒性ブロックポリマーの合成とその自己組織化能の評価を行った。具体的には、先行研究で用いてきたpoly(propylene oxide)の末端にアミンを有するポリマーをマクロイニシエーターとして、イオン親和性の高いoligo(tri(ethylene glycol) glutamate) NCAモノマーの開環重合により、目的のブロックポリマーを得た。さらに、イオンとの錯形成能を有する18-crown-6-etherや15-crown-5-etherをポリマーの末端に修飾した種々のポリマーの合成も行った。次いで、得られたポリマーの自己組織化能を調べるため、ポリマーを水溶液中に分散させ、TEM観察を行ったところ、ふちのある100から200 nmの球状集合体が観察できた。また、小角X線散乱測定を行ったところ、散乱プロファイルを二分子膜断面モデルでフィッティングすることが可能であった。このことから、すべてのポリマーが、水溶液中でベシクルを形成することが判明している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、特定イオンへの親和性を付与したブロックポリマーを得ることが目的であった。研究実績の概要で述べたとおり、目的のポリマーやcrown etherを導入したポリマー群を得ることができており、その自己組織化能の評価も実施済みであり、研究は概ね順調に進展している。また、予備検討でリン脂質リポソームへの組み込みも可能であることを見出している。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画の通り、次年度は、ポリマーのリン脂質リポソームへの組み込み能の評価ならびにイオン透過性の評価を蛍光プローブや共焦点レーザー顕微鏡観察から行ってゆく。イオン透過の選択性が優れない場合は、親水鎖・疎水鎖いずれも分子設計を改めて、合成を試みる予定である。
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