研究課題/領域番号 |
23K23416
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補助金の研究課題番号 |
22H02148 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35020:高分子材料関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
緒明 佑哉 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (90548405)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2025年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
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キーワード | 層状構造 / ポリジアセチレン / インターカレーション / 刺激応答性材料 / センサ応用 / 刺激応答性 / 共役高分子 / はく離 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、化学・材料分野において、分子や分子組織構造が剛直・柔軟と呼ばれている経験的かつ定性的な概念を、定量的に表現・理解する手がかりを得ることが目標である。そのため、刺激応答性色変化を示す共役高分子である層状ポリジアセチレン(PDA)を対象とし、層状構造の層間にゲストを導入することでその柔軟性および刺激応答性を変化させる。温度応答性色変化をモデルとし、小規模データにも適用可能なAIをもとに、刺激応答性を支配している重要な因子(記述子)を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は、化学・材料分野において、分子や分子組織構造が剛直・柔軟と呼ばれている経験的かつ定性的な概念を、定量的に表現・理解する手がかりを得ることが目標である。そのため、刺激応答性色変化を示す共役高分子である層状ポリジアセチレン(PDA)を対象とし、層状構造の層間にゲストを導入することでその柔軟性および刺激応答性を変化させる。温度応答性色変化を例として、小規模データにも適用可能なマテリアルズインフォマティクス(MI)を適用し、刺激応答性予測モデルの構築を目指す。2023年度は、層状PDAの構造柔軟性を変化させる新たな手法の開拓を行った。これまでの研究では、単純なアルキルアミンやジアミン、金属イオン等を層間に導入してきた。本研究では、ポリエチレンイミンやポリアリルアミンなどの塩基性高分子や環状ゲスト分子の導入を行うことで、より多様な刺激応答性を実現することができた。また、これらの層状PDAに他の刺激応答性材料を組み合わせることでデバイスを作製し、より高度な構造柔軟性の制御により温度応答性色変化や力学的刺激応答性色変化の可視・定量化を達成することができた。これらのデバイスは、外科手術時の温度変化マッピングや、様々な力学的刺激(摩擦力や圧縮応力)の可視・定量化を可能にした。さらに、MIの適用に向けた準備として刺激応答性に関するデータセットの構築を試みた。温度と色度の関係を示すデータを整理し、これを目的変数とするデータセットを作成した。刺激応答性を支配しうると考えられるパラメータを、研究者の経験と考察もふまえて説明変数として複数選択した。このようなデータセットの機械学習を行い、研究者の経験と考察をふまえた記述子の抽出を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本年度の計画は、これまでの研究では、単純なアルキルアミンやジアミン、金属イオン等を層間に導入してきたのに対し、より多様な刺激応答性を示す層状構造の形成を試みることであった。しかし、そのようなより多様な刺激応答性を示す層状構造の形成のみならず、そのデバイス作製により多様な外部刺激の可視・定量化を達成し、海外の権威ある学術論文誌に掲載されたことは、当初計画以上であった。また、次年度以降に行うデータベース化と機械学習の実行も既に進んでおり、当初計画以上の進展が見られているといっても過言ではない。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度にデータセットの構築は完了しているため、刺激応答性予測モデルの構築を行う。刺激応答性の中でも、色変化温度や可逆性に注目し、小規模データに適用可能なスパースモデリング(SpM-S)による記述子抽出とモデル構築を完了させる。このとき、小規模データでは、データのバランスや記述子抽出過程における研究者の考察をどのぐらい関与させるかによって、抽出記述子やモデルの精度が変わってくる。これらのデータ科学的な検討と並行した実験により、異なるホストの採用やゲストの導入によって、より多様な刺激応答性の実現を目指す。得られた実験データは、モデル構築後の検証(テストデータ)に用いる。さらに、新しい刺激応答性の応用展開も検討し、外部刺激の可視・定量化を行うセンシングデバイスの構築を行う。
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