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触媒-電解質相互作用の制御に基づく電極触媒の高活性・高耐久化

研究課題

研究課題/領域番号 23K23452
補助金の研究課題番号 22H02185 (2022-2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2022-2023)
応募区分一般
審査区分 小区分36020:エネルギー関連化学
研究機関東京都立大学

研究代表者

棟方 裕一  東京都立大学, 都市環境科学研究科, 助教 (00457821)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円)
2024年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2022年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
キーワードイオン液体 / 混合電解質 / 燃料電池
研究開始時の研究の概要

イオン液体を含む混合電解質の設計という全く新しい観点から燃料電池触媒を高活性・高耐久化する手法を確立する。本混合電解質の熱的安定性を駆使し、粗な水素を燃料として利用できる100℃以上の中温域でも燃料電池触媒を長期に安定に利用するための材料設計学理を確立する。

研究実績の概要

電解質と触媒の相互作用を制御し、中温域という非常に厳しい条件下においても白金触媒が酸素還元活性を安定に保持できることをプロトン伝導性のイオン液体/リン酸混合電解質中で実証した。しかし、触媒活性は十分とはいえなかったため、触媒担体をケッチェンブラックから耐酸化性と電子伝導性に優れたグラフェン系カーボン材料へ変更した。この際に窒素やホウ素などの異種元素をグラフェンへドープし、グラフェン上へ担持された白金触媒の電子状態の制御を試みた。電子供与性の高い元素をドープしたグラフェンを担体とすることで白金触媒はより還元された状態となり、イオン液体との相互作用が変化した。この変化は酸素還元反応の過電圧低減に貢献し、電極触媒としての性能を高めることにつながった。研究開発の妥当性を検証するため、新たな電解質系として水酸化物イオン伝導性イオン液体に着目し、同様の検討を進めた。本系においても担体の設計に基づく電解質と触媒の相互作用の制御が触媒活性の向上に有効なことを見出した。これらの結果から、単独では酸素還元活性を示さない安価な遷移金属であっても触媒担体の設計に基づいて電解質との相互作用を制御すれば白金代替の触媒となり得る可能性があるため、その検証を開始した。また、水酸化物イオン伝導性イオン液体を用いた検討では、これまで着手してきた酸素還元反応に加え、窒素や二酸化炭素の電気化学固定を目的とした新しい展開を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

プロトン伝導性イオン液体中において白金触媒へのアニオン吸着が酸素還元反応の触媒活性を支配する大きな要因であり、電解質-触媒相互作用を制御することで触媒活性を高められることを明らかにした。新たな系として取り組んだ水酸化物イオン伝導性イオン液体においても、酸素還元反応の触媒活性が電解質と触媒の相互作用によって支配され、その制御により活性向上を図れることを見出した。研究として十分な妥当性と有効性を検証できており、新たな学理の開拓に繋がると期待できる。

今後の研究の推進方策

白金触媒の担体をケッチェンブラックからグラフェンへ変更することで100℃を超える中温域においても優れた触媒活性と耐久性を白金触媒に付与できることをイオン液体/リン酸混合電解質中で明らかにした。また、担体のグラフェンへ異種元素をドープすることで酸素還元反応に対する白金触媒の質量活性を大きく向上できることも見出した。これらの電解質と燃料電池触媒の相互作用の制御に基づくものであることから、その設計をさらに進め、より優れた燃料電池触媒活性の実現を図る。また、得られた知見を新たな電解質系である水酸化物イオン伝導性イオン液体へ展開し、電解質-触媒相互作用の制御に基づく電極触媒の高活性・高耐久化の有効性と妥当性をより広い観点から検証し、学理としてのさらなる成熟を図る。

報告書

(2件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (7件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] Development of hydroxide ion conducting ionic liquids for non-humidified intermediate temperature alkaline-type fuel cells2023

    • 著者名/発表者名
      Hirokazu Munakata, Ryoma Wakabayashi, Kiyoshi Kanamura
    • 学会等名
      International Conference on Nanomaterials and Energy Storage Systems (INESS-2023)
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Phosphoric acid/ionic liquid mixed electrolytes for non-humidified intermediate temperature fuel cells2023

    • 著者名/発表者名
      Hirokazu Munakata, Chihiro Tanaka, Kiyoshi Kanamura
    • 学会等名
      11th International Symposium on Inorganic Phosphate Materials & International Workshop on Forward-Looking Materials (ISIPM-11 & FLM2023)
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 種々の混合比のリン酸/イオン液体混合電解質中における白金触媒の酸素還元活性の評価2023

    • 著者名/発表者名
      棟方裕一, 田中千裕, 金村聖志
    • 学会等名
      第64回電池討論会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 水酸化物イオン伝導性混合イオン液体中の酸素還元活性の向上へ向けた白金触媒担体の設計2023

    • 著者名/発表者名
      福岡功祐, 柳下祟, 棟方裕一
    • 学会等名
      第64回電池討論会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] リン酸/イオン液体混合電解質中における 白金担持窒素ドープグラフェン触媒の 酸素還元反応活性および耐久性の評価2022

    • 著者名/発表者名
      田中千裕, 棟方裕一, 金村聖志
    • 学会等名
      2022年電気化学会秋季大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] リン酸/イオン液体混合電解質中における 各種白金担持カーボン触媒の 酸素還元反応活性および耐久性の評価2022

    • 著者名/発表者名
      田中千裕, 棟方裕一, 金村聖志
    • 学会等名
      第63回電池討論会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] イオン液体を用いた中温作動燃料電池の開発2022

    • 著者名/発表者名
      棟方 裕一
    • 学会等名
      22-1水素・燃料電池材料研究会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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