研究課題/領域番号 |
23K23464
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補助金の研究課題番号 |
22H02197 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37010:生体関連化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
北條 裕信 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (00209214)
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研究分担者 |
末武 勲 中村学園大学, 栄養科学部, 教授 (80304054)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2024年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2023年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2022年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
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キーワード | ヒストン / 脂質化 / 翻訳後修飾 / 化学合成 / ヌクレオソーム |
研究開始時の研究の概要 |
ヒストンは、DNAを巻き付けてそれをコンパクトに核内に収めている核内蛋白質である。 そのN-末端領域ではメチル化等、多くの翻訳後修飾が起こり、それらが可逆的にダイナミックに変化して遺伝子発現が制御される。最近、ヒストンに脂肪酸が付加されるという意外な報告がなされた。DNAと結合する極性の高いヒストン疎水性の高い脂肪酸が付くとどうなるのか?ヒストン脂質化の発見は、核膜脂質と の相互作用によってヌクレオソームの局在を変化させるという新規な遺伝子制御機構の存在を予測させる。本研究では、ヒストンの脂質化による 遺伝子調節という新しいエピゲノムを提案する目的で行う。
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研究実績の概要 |
ヒストンのN-末端領域ではメチル化等、数多くの翻訳後修飾が起こり、それらが可逆的に変化して遺伝子発現が制御される。最近、ヒストンの一つであるヒストンH4に脂肪酸が付加される(脂質修飾)という報告がなされた。DNAと結合する極性の高いヒストンに疎水性の脂肪酸が付くとどうなるのか?ヒストン脂質化の発見は、1)ヌクレオソーム構造変化による遺伝子発現調節、2)ヌクレオソーム間の疎水性結合によるクロマチン凝集機構、3)核膜脂質との相互作用によるヌクレオソームの局在変化等、新規な遺伝子制御機構の存在を予測させる。 本研究では、既報のヒストンH4の脂質化部位を足がかりとして、タグ化脂質を利用したヒストンの脂質化部位の同定、化学的な脂質化ヒストンの大量合成、そして脂質化ヒストンを含むヌクレオソームの構造解析と細胞内での機能解析という3ステップの研究により、ヒストンの脂質化による遺伝子調節という新しいエピゲノムを提案する目的で行っている。 本年度は、H4の脂質化により、ヌクレオソームの安定化がどう変化するかを解析するために、ヌクレオソームの大量調製法を検討した。ヌクレオソームの大量精製は意外と困難であり、イオン交換クロマトグラフィーやゲルろ過、電気泳動等の手法による精製を試みた。その結果安定性を検証するのに十分な量のヌクレオソーム調製に成功した。すでに、ヌクレオソームの位置・安定性などについて、DNaseを作用させて解析し、その正常な形成を確認した。 計画を推進する過程で、同時に細胞レベルの研究を進めている。驚いたことに、ヒストンが脂質化されるだけでなく、細胞種・培養条件で、脂質化修飾が調節される新規な結果を得た。現在、脂質化がアミド、エステル、またはチオエステル結合のどれであるかを求核試薬により解析するとともに、MS解析による脂質化部位の同定を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
既報と大きく精製条件を変えることにより、高額な機器を必要とせずに、ヌクレオソームを安定的に、かつ大量に形成させる方法が確立できた。得られたヌクレオソームのDNase分解実験が実施できたため、脂質の有無によるヌクレオソームの安定性解析が可能となった。また、脂肪酸の細胞添加により、種々のヒストンに脂質化が起こっていることが示唆され、今後これらの脂質化部位の解析が同時並行で進められるようになり、最終年度において本課題のまとめが期待できるようになった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、DNaseによるヌクレオソームDNAの分解度合いをいくつかの温度で解析することにより、脂質化によるヌクレオソームの熱安定性の変化を詳細に解析する。また、脂質化によりヌクレオソームとリポソームとの相互作用がどのように変化するかを詳細に解析する。 さらに、細胞に対する脂質添加により引き起こされたヒストンの新たな脂質化部位とその構造の同定を行い、脂質化によるヒストンの機能変化を詳細に解析する予定である。
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