研究課題/領域番号 |
23K23471
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補助金の研究課題番号 |
22H02204 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37020:生物分子化学関連
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研究機関 | 東京工業大学 (2024) 北海道大学 (2022-2023) |
研究代表者 |
南 篤志 東京工業大学, 理学院, 教授 (40507191)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2025年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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キーワード | ポリケタイド / 骨格構築酵素 |
研究開始時の研究の概要 |
多くの化学者が「最終産物であるポリケタイド系天然物は、どの程度の構造多様性を有するのか?」「PKSやPKS-NRPSは、どのようなメカニズムで構造が異なるPK鎖を合成するのか?」という点には興味を抱いているが、疑問の解決には至っていない。本研究では、個々のポリケタイド系天然物の生合成研究では見逃されてきたPKSやPKS-NRPSの系統学的・機能的な共通点を見いだし、実験的に検証する。
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研究実績の概要 |
ポリケタイド系天然物を対象とし、その骨格構築に関わるPKS(-NRPS)の系統学的・機能的な共通点を基に申請者が提案した2つの仮説、仮説1)PKS(-NRPS)の系統学的な分類結果は、最終産物の化学構造と良く一致する、仮説2)ポリケタイド鎖伸長反応の立体特異性は、全てのPKS(-NRPS)で共通である、を実験的に検証する。具体的には、①仮説1の実験的検証、②仮説2の実験的な検証、③提案した立体化学制御則に従うPKSと制御則に反するPKSの機能的な類似点・相違点の解明を通して、糸状菌由来PKSの機能を明らかにする。初年度は、主に、①と②について検討した。
HR-PKSの分子系統解析から機能解析例が限定的なグループを選択し、骨格構築酵素の機能解析と最終産物の異種宿主生産を行った。これにより、注目したグループが酸無水物型二量体を与えるグループであることを実験的に立証し、提唱した仮説1をサポートすることに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
以前の研究では未解析であったHR-PKSについて予備的な分子系統解析を行ったところ、PKS-NRPSと同様、いくつかのグループに分類されることがわかった。初年度は、ホモイドライドと呼ばれる天然物生合成に関わると予想されたHR-PKSに注目し、その機能解析と異種宿主生産を行った。その結果、1)注目したHR-PKSは特徴的なポリケタイド鎖の構築に関与すること、2)生成したポリケタイド鎖部分が最終産物であるホモイドライドのコア骨格に変換されることを明らかにした。機能解析に成功したHR-PKSと同じグループには、類似の二量体構造を与えるゾフィエリン生合成に関わるHR-PKSと同じグループであったことから、本グループは酸無水物二量体と紐づいていることを実験的に証明することに成功した。本研究成果は世界的にも高く評価され、化学系のトップジャーナルであるJACS誌に受理された。以上のことから、本研究は順調に進展しているものと判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後の方策としては、1)NR-PKSを対象とした仮説1の検証、2)仮説2の検証に向けた各ドメインの精密機能解析などを行う予定である。具体的には、メレオライド生合成に関わるNR-PKSの機能解析とエノイル還元反応を触媒するERの精密機能解析を先行して行う予定である。
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