研究課題/領域番号 |
23K23484
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補助金の研究課題番号 |
22H02217 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37030:ケミカルバイオロジー関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小松 徹 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 助教 (40599172)
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研究分担者 |
水野 忠快 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 助教 (90736050)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2024年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 11,180千円 (直接経費: 8,600千円、間接経費: 2,580千円)
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キーワード | ケミカルバイオロジー / 創薬化学 |
研究開始時の研究の概要 |
自動合成を用いたプローブ合成,規格化された計測条件の設定,バイアスをかけずに1分子計測データを解析することができる解析系の構築,をもって,安定してデータを蓄積していくことが可能な仕組みが整ってきた.これを用いて,特に健常者の血液検体を中心として1分子酵素活性データの蓄積をおこない,アトラスの作成を進める.これを参照データとして用いることにより,特定の疾患に由来する生体サンプルが与えられた際に,この参照データからの変化によって疾患に関わるバイオマーカーの迅速な探索をおこなっていくことが可能になると期待される.
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研究実績の概要 |
本研究では,酵素の生きた機能である活性の評価を可能とする方法論「enzymomics(enzymeのomics)」について,その超高感度化,網羅化を達成する実験系を背景として,特にリキッドバイオプシー法を用いた血液中の酵素活性の異常の理解に基づく疾患の理解を実現する基盤技術構築を目指して進められた. 研究代表者らが開発した生体サンプル中の1分子酵素活性の計測技術は,微細加工技術によって調整された多数のマイクロチャンバーを有するデバイスに十分に希釈したサンプルをロードすることによって酵素分子を確率論的に1分子ずつ分画した状態で酵素の活性解析をおこなう1分子酵素活性計測法に基づいている.このような1分子酵素活性計測に用いることができる蛍光プローブの並列合成を可能とする新たな合成法を確立し(特願2021-096839),これまでに100種類以上の酵素に関する1分子活性計測の系の構築をおこなうことに成功した(S. Sakamoto et al. Cell Rep. Methods 2024).更に,本系の一般化につながる様々な技術の開発をおこない,特許出願,論文発表,これらに基づく学外研究者との共同研究の推進に繋げた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究課題の目標であるプローブ合成,計測の一般化に向けて,前者では既にそのシステムを確立し,論文化,特許化に成功した.これまでに1分子計測技術が確立されていた glycosidase,phosphatase という酵素種に加え,新たに peptidase/protease に対する広範な酵素活性計測系を確立することに成功し,成果を論文発表した(S. Sakamoto et al. Cell Rep. Methods 2024,N. Nagano et al. Chem. Sci. 2023).更に,新たに esterase 類に対して適用可能な coupled assay に基づくアッセイ系を確立し,こちらについても論文発表をおこなった(T. Ukegawa et al. Adv. Sci. 2023).後者については,高い安定性をもって1分子計測を可能にするプラットフォームを確立し,年度内に血液サンプルの解析を中心に数百以上のアッセイデータを蓄積し,今後の研究に広く活かすことができる基盤を樹立した.
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究では,確立した方法論を多くの研究者が画一的に利用できるようにする一般化を進め,規格化された条件の下で計測データの蓄積を進め,蓄積されたデータを背景とした解析の高度化を進めていくことで,1分子計測による「enzymomics」法を,他のオミクスに並ぶ方法論として確立する.このために,規格化された蛍光プローブ合成法,規格化されたマイクロデバイスと計測装置を用いた実測とデータ解析系の実装を進め,1分子計測リキッドバイオプシーの樹立に向けた基盤となす. (1) 合成系の一般化:昨年度までに確立した7-amino-4-methylcoumarinを母核としたSAS法により多くの酵素活性の計測がなされたが,これに対してより強い蛍光を示す新たな蛍光プローブの母核を開発した(特願2022-079082).これを用いたライブラリ構築の仕組みを確立し,全自動のプローブ開発の仕組みの構築と血液中の1分子酵素活性計測を進めていく. (2) 計測,データ解析の一般化:1分子アッセイに用いるマイクロデバイスは,現在自作のものを用いているが,市販のマイクロデバイスと分注装置を用いて大量のデータを再現性よく計測する仕組みを構築することに成功した.これによって得られる大量の計測データを蓄積すると共に,その特徴量を抽出して群間比較をおこなう解析プラットフォームを水野グループと共同で開発し,規格化された条件で計測された血液中,組織中の大量の酵素活性データの間の比較をおこなう仕組みを確立する.
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