研究課題/領域番号 |
23K23508
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補助金の研究課題番号 |
22H02241 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
麻生 祐司 京都工芸繊維大学, 繊維学系, 教授 (70380590)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2025年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2024年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
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キーワード | バイオビニル / イタコン酸類縁体 / 発酵生産 / 化成品 / イタコン酸 / スクリーニング / 微生物 / 真菌類 |
研究開始時の研究の概要 |
バイオビニル生産菌の選択的分離技術「DISCOVER」を用いて生産菌を分離しバイオビニルをライブラリー化する。次に、代謝経路解析によりバイオビニル生合成機構を明らかにする。さらに、バイオビニル生産系を構築する。最後に、バイオビニルの生理活性と付加反応性を評価する。これにより、バイオビニルを疾病予防薬や環境調和型プラスチックの原料として利用するための礎を築く。
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研究実績の概要 |
日本各地で採取した土壌および植物片を分離源とし、選択的分離技術DISCOVERを用いてバイオビニル生産菌のスクリーニングを行い、バイオビニルのライブラリー化を図った。このとき、比較的多様な代謝物を生産する真菌類を分離株のターゲットとした。また、分離の効率化を図るため、2,5-diaryltetrazoleを用いたphotoclick反応に基づく新たなバイオビニル生産菌の分離技術を開発した。 rRNA遺伝子解析の結果、土壌を分離源としたときとは異なり、植物片からはTalaromyces属、Peniophora属、Irpex属、Perenniporia属などの真菌類が分離されることがわかった。野生株であるため、いずれもバイオビニルの生産量が乏しく、詳細な構造解析には至っていない。しかし、HPLC分析の結果、生産するバイオビニルはイタコン酸やヘキシルイタコン酸とは異なる構造を有することが示唆された。また、photoclick反応の反応条件を最適化することで、培養液上清中に含まれるバイオビニルを選択的に蛍光検出することが可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度はバイオビニル生産菌の分離とライブラリー化を目的とした。分離源を土壌から植物片に広げることで生産菌の多様性を図った。その結果、これまで土壌から多く分離されてきたAspergillus属とは異なり、Talaromyces属を始めとする多様な真菌類をバイオビニル生産菌として分離することができた。また、バイオビニル生産菌の新たな分離技術の開発の結果、photoclick反応に基づくハイスループットスクリーニング分離技術を確立できた。以降は、DISCOVERとともに開発したphotoclick反応に基づく分離技術を用いてバイオビニル生産菌の分離を進める。
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今後の研究の推進方策 |
取得したバイオビニル生産菌の培養液からバイオビニルを精製し、構造解析ならびに機能解析に繋げる。バイオビニルの精製では培養液中に含まれるバイオビニル濃度が極めて低いことがネックとなるため、効率的な精製法の確立を試みる。また、機能解析では抗菌活性を始めとした生理活性とラジカル重合反応性を調べることで、バイオビニルを抗菌剤や高分子原料に結び付けるための研究を行う。さらに、バイオビニル生産菌のスクリーニングを継続するとともに、バイオビニルの発酵生産法の開発にも着手する。
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