研究課題/領域番号 |
23K23527
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補助金の研究課題番号 |
22H02260 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
水沼 正樹 広島大学, 統合生命科学研究科(先), 教授 (10343295)
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研究分担者 |
荒川 賢治 広島大学, 統合生命科学研究科(先), 准教授 (80346527)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2024年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2023年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2022年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
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キーワード | 酵母 / 寿命 / メチオニン / S-アデノシルメチオニン / トランポーター / 液胞 |
研究開始時の研究の概要 |
出芽酵母を用いた解析から、実験室酵母のSSG1変異によってメチオニンの代謝産物であるS-アデノシルメチオニン(SAM)が液胞内に高蓄積し、細胞寿命が延長することを見出した。この変異タンパク質Ssg1は液胞膜に発現する。Ssg1は、薬剤輸送体MATE(multidrug and toxic compound extrusion)ファミリーと高い相同性を有することから、Ssg1はSAMを液胞内へと輸送するトランスポーターと予想している。本研究では、SAMトランスポーターとしてのSsg1の機能解明と寿命制御などSAM代謝の新規役割を明らかにし、その知見を利用した応用展開を行う。
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研究実績の概要 |
「寿命決定メカニズム」の解明は、健康長寿社会の構築に向けて、優先して取り組むべき課題の一つである。研究代表者は、出芽酵母を用いた解析から、実験室酵母のSSG1変異によってメチオニンの代謝産物であるS-アデノシルメチオニン(SAM)が液胞内に高蓄積し、細胞寿命が延長することを見出した。この変異株ではフレームシフトによりC末端が伸長したSsg1が液胞膜に発現する。伸長型Ssg1(以後、Ssg1)は、薬剤輸送体MATE(multidrug and toxic compound extrusion)ファミリーと高い相同性を有することから、Ssg1はSAMを液胞内へと輸送するトランスポーターと予想している。2023年度はSsg1と遺伝的相互作用する因子Aの解析を行った。因子Aを破壊するとSsg1の寿命延長が完全に消失した。さらに因子Aを過剰発現するとSAMの高蓄積ならびに顕著な寿命延長が観察された。従って、因子Aは長寿遺伝子であることが予想された。そこで因子Aによる寿命延長メカニズム解明を行った。因子Aの過剰発現株では、ラパマイシンの標的因子TOR1経路の不活性化やオートファジーの活性化が観察された。現在、さらに寿命延長メカニズムについて解析中である。本研究では、SAMトランスポーターとしてのSsg1の機能解明とその制御因子の理解を通して、SAM代謝制御という視点から新しい知見を得ることを目標とする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Ssg1と遺伝的に相互作用する因子Aを同定し、その機能の一部を明らかにするなど、予定通りに進展しているため。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は引き続き因子Aの機能解析を進めるとともに、Ssg1との機能関連を詳細に明らかにする。Ssg1は清酒酵母ではSAM構築に重要な遺伝子として同定されており、Ssg1の機能解明を通して、清酒酵母のSAM高蓄積とストレス耐性やエタノール高発酵性に関する手掛かりを得る。
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