研究課題/領域番号 |
23K23532
|
補助金の研究課題番号 |
22H02265 (2022-2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
岡本 章玄 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 高分子・バイオ材料研究センター, グループリーダー (70710325)
|
研究分担者 |
今村 岳 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 高分子・バイオ材料研究センター, 主任研究員 (60715754)
Deng Xiao 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 高分子・バイオ材料研究センター, 主任研究員 (90903740)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2022年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
|
キーワード | 微生物鉄腐食 / 加速試験 / レドックス分子 / 細胞外電子移動 / 硫酸還元菌 / ベイズ最適化 / 硫酸還元細菌 / レドックスミディエーター / ハイスループット電気化学測定 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、バイオ鉄腐食の速度論的理解・制御を通して、バイオ腐食細菌の加速試験開発へとつなげる。申請者らが独自に開発したハイスループット電気化学測定系にデータ駆動科学(ベイズ最適化)の手法を組み合わせることで、硫酸還元菌によ るEEUを大幅加速する電子ミディエーターの分子構造を網羅的に探索・特定する。さらに、EEUや腐食が加速される機構を解明、その普遍性を環境中細菌群集等を用いて検証、バイオ鉄腐食の制御を目指す。
|
研究実績の概要 |
硫酸還元菌は、鉄パイプライン等の嫌気環境で鉄腐食を引き起こし、甚大な経済損失と事故を引き起こしている。暗所や視認困難な場所で起きる嫌気バイオ腐食を防ぐためには現場の採水試料を用いた加速試験法の開発が鍵となる。申請者らはこれまでに、電気化学と分子生物学手法を用いて硫酸還元菌が固体から電子を直接引き抜く「Extracellular Electron Uptake (EEU)」が鉄腐食速度と高い相関性を示すことを明らかにした。本研究では、EEUに基づくバイオ鉄腐食の速度論的理解・制御を通して、バイオ腐食細菌の加速試験開発へとつなげる。申請者らが独自に開発したハイスループット電気化学測定系にデータ駆動科学(ベイズ最適化)の手法を組み合わせることで、硫酸還元菌によるEEUを大幅加速する電子ミディエーターの分子構造を網羅的に探索・特定する。本年度は、保有分子のデータを取得し、ベイズ最適化を適用することで、電流値を大幅に加速する小分子を購入可能な分子群から特定するパイプラインを構築した。モデル細菌において、電流値を大幅に増大する分子群を比較したところ、レドックス電位のみならず膜透過性が重要な鍵であることが初めて見出された。また、このパイプラインを用いてSRBのEEU速度に影響を与える小分子を特定する実験を進めている。最も高い特性を示した分子に対して、今後、鉄腐食速度を確認し、有意な加速が可能か検証する。今年度、2報の論文を投稿しており、現在2報の論文を準備中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画していた方法論の確立は、モデル細菌を使ってうまく進んでいる。さらに、SRBを用いた検討も進めており、問題なく研究が進んでいる。
|
今後の研究の推進方策 |
当初計画した通り、SRBによる鉄腐食速度を大幅に加速される小分子の探索・特定を行い、その分子を用いた腐食機構の研究、並びに細菌叢への影響を確認する。
|