• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

青枯病菌が示すユニークな真菌寄生機構の解明と化学制御

研究課題

研究課題/領域番号 23K23542
補助金の研究課題番号 22H02275 (2022-2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2022-2023)
応募区分一般
審査区分 小区分38040:生物有機化学関連
研究機関大阪公立大学

研究代表者

甲斐 建次  大阪公立大学, 大学院農学研究科, 准教授 (40508404)

研究分担者 谷 修治  大阪公立大学, 大学院農学研究科, 准教授 (80405357)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
キーワード真菌寄生 / 細菌-真菌間相互作用 / クオラムセンシング / 青枯病菌 / 厚膜胞子 / 寄生
研究開始時の研究の概要

近年、青枯病菌が真菌に厚膜胞子を誘導し、その器官を通じて真菌内に寄生する現象が発見された。本寄生には、ralstonin類による厚膜胞子誘導が必須である。しかし、ralstonin類がどのようにして厚膜胞子を誘導するのか、青枯病菌がどのようにして真菌内に寄生するのかは不明である。真菌寄生は青枯病菌の潜伏機構である可能性が高く、この現象を化学的に制御できれば青枯病を未然に防ぐことができる。そこで、青枯病菌が示すユニークな真菌寄生に潜む分子メカニズムを解明し、本寄生を化学的に制御する予防法の基礎を確立する。

研究実績の概要

青枯病菌Ralstonia solanacearumは、ナス科を中心とした250種以上の植物に感染し、青枯病を引き起こす植物病原性のグラム陰性細菌である。ralstonin類がどのようなメカニズムで厚膜胞子を誘導するのか、厚膜胞子の誘導以降、青枯病菌がどのようにして真菌内に寄生するのかは不明である。真菌寄生は青枯病菌の潜伏機構である可能性が高く、この現象を化学的に制御できれば青枯病を未然に防ぐことができるはずである。そこで本研究では、青枯病菌が示すユニークな真菌寄生に潜む分子メカニズムを解明し、本寄生を化学的に制御する青枯病予防法の基礎を確立する。
Ralstonin合成遺伝子rmyA/rmyBと同一かホモログの遺伝子が、青枯病菌菌株のほとんどで保存されている。ホモログの一部は遺伝子サイズが縮小しており、生合成酵素遺伝子の退行的分子進化が起きている可能性が考えられた。この現象の重要性を調べるには、rmyA/rmyBホモログの産物であるリポペプチドを単離・構造決定し、生物活性までを系統的に進めた。その結果、予想通り本生合成遺伝子長に変化が生じた株が複数存在し、ralstonin類を含めた青枯病菌リポペプチドにおける分子進化のメカニズムを複数例発見することに成功した。二次代謝の分子進化と異種微生物間の生命現象をリンクさせる世界初の研究である。さらにQS阻害剤が真菌寄生能を制御しうるかどうかを検証したところ、それを強く示唆するデータを得ることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の設定どおりに各課題が進行しているため。ただし、消耗品費と受託解析費などの高騰により一部の解析が当初通りに進めることができない。

今後の研究の推進方策

Ralstonin類の生合成に関与する新たな遺伝子を見出すことに成功したので、その機能解析を進める。それにより、Fusarium厚膜胞子誘導に対するralsotoninの構造要求性が明らかにできると期待される。また、QS阻害剤の真菌寄生への効果をより詳細に調べる予定である。加えて、青枯病菌の真菌寄生に関与する新規因子の探索を進め、本寄生の成立に必須な因子をなるべく多く発見する。

報告書

(2件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 6件)

  • [雑誌論文] Quorum Sensing-Dependent Invasion of Ralstonia solanacearum into Fusarium oxysporum Chlamydospores2024

    • 著者名/発表者名
      Chiaki Tsumori, Shoma Matsuo, Yuta Murai, Kenji Kai
    • 雑誌名

      Microbiology Spectrum

      巻: 11 ページ: 1-18

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Discovery of Cyclic Lipopeptides Ralstopeptins A and B from <i>Ralstonia solanacearum</i> Species Complex and Analysis of Biosynthetic Gene Evolution2023

    • 著者名/発表者名
      Matsukawa Nao、Tsumori Chiaki、Ohnishi Kouhei、Kai Kenji
    • 雑誌名

      ACS Chemical Biology

      巻: 18 号: 3 ページ: 572-582

    • DOI

      10.1021/acschembio.2c00907

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 同種・異種微生物間における化学コミュニケーション2024

    • 著者名/発表者名
      甲斐建次
    • 学会等名
      静岡大学グリーン科学技術研究所・キノコ科学研究所・生物化学研究室セミナー
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 真菌への寄生を確立する青枯病菌の化学コミュニケーション2024

    • 著者名/発表者名
      甲斐建次
    • 学会等名
      日本農芸化学会2024年度大会シンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] The phc quorum sensing system in RSSC: specificity in signal production and response, regulation of secondary metabolism, and chemical control2023

    • 著者名/発表者名
      Kenji Kai
    • 学会等名
      7th International Bacterial Wilt Symposium
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] クオラムセンシングの制御による植物病害防除を目指して2022

    • 著者名/発表者名
      甲斐建次
    • 学会等名
      日本学術会議公開シンポジウム
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 糸状菌にも寄生する植物病原細菌2022

    • 著者名/発表者名
      甲斐建次
    • 学会等名
      第21回糸状菌分子生物学コンファレンス
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 植物と真菌の両方に寄生する青枯病菌の感染戦略2022

    • 著者名/発表者名
      甲斐建次
    • 学会等名
      第22回農薬バイオサイエンス研究会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi