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嗜好味受容体におけるリガンド選択性・感受性を決定する因子の構造活性相関による同定

研究課題

研究課題/領域番号 23K23549
補助金の研究課題番号 22H02282 (2022-2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2022-2023)
応募区分一般
審査区分 小区分38050:食品科学関連
研究機関東京大学

研究代表者

三坂 巧  東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (40373196)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2023年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2022年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
キーワード食品 / 食品機能 / 嗜好性 / 味覚受容体
研究開始時の研究の概要

近年同定された味覚受容体の機能解析研究の成果により、味物質受容における詳細な分子メカニズムが明らかになってきた。本研究では、嗜好味受容体におけるリガンド選択性・感受性に、受容体内部のどの部分が関与しているのかを、構造活性相関解析によって実験的に明らかにすることを目的としている。得られた研究成果により高感度型受容体の創出ができれば、食品を対象とした新たな呈味測定法の技術展開に発展することが期待できる。

研究実績の概要

本研究では、嗜好味受容体におけるリガンド選択性・感受性に、受容体内部のどの部分が関与しているのか、またどういった構造的基盤から発生するのかを実験的に明らかにすることを目的とする。様々な生物由来の味覚受容体に点変異を導入した変異体の機能解析を実施することで、受容体のリガンド選択性・感受性に関する構造活性相関解析を実施する。
今年度は受容体のリガンド感受性に関わる因子の同定のために、ヒトよりも感度の高い味覚受容体を対象にした解析を実施した。具体的には、アミノ酸に対する感度が高いことが知られているメダカ・ゼブラフィッシュの味覚受容体について、各アミノ酸への応答感度の網羅的解析を実施するとともに、高感度である要因について探索を実施した。
メダカ・ゼブラフィッシュの味覚受容体について安定発現細胞を構築し、応答測定法について種々の条件検討を行った。その結果、受容体発現細胞をアッセイバッファーで洗浄後、27℃で4時間インキュベーションすることによって、リガンドに対する応答強度が顕著に強まることを見出した。この理由として、これらの受容体がアミノ酸に対する感度が極めて高く、培養細胞の培地中に含有されるアミノ酸類によって常時、刺激を受けていることが要因として推測された。アッセイバッファーで洗浄することで培地中のアミノ酸が除去され、それが脱感作を解除するということが、活性上昇をもたらす主要因であると結論づけられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

アミノ酸に対する感度が高いことが知られているメダカ・ゼブラフィッシュの味覚受容体を解析対象にすることで、感度上昇を導く応答測定法についてのノウハウが新たに獲得できた。これによって、より正確な感度測定が可能になるなど、波及効果も大きいことも判明している。

今後の研究の推進方策

過去2年、嗜好味受容体におけるリガンド選択性・感受性に関わる構造的特徴や、応答測定法のノウハウの蓄積など、新たな知見が得られている。当初計画に基づき、研究を進行していく。

報告書

(2件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (4件) 備考 (3件)

  • [雑誌論文] Allosteric modulation of the fish taste receptor type 1 (T1R) family by the extracellular chloride ion2023

    • 著者名/発表者名
      Goda Ryusei、Watanabe Soichi、Misaka Takumi
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 13 号: 1 ページ: 16348-16348

    • DOI

      10.1038/s41598-023-43700-y

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Modeling the structure of the transmembrane domain of T1R3, a subunit of the sweet taste receptor, with neohesperidin dihydrochalcone using molecular dynamics simulation2023

    • 著者名/発表者名
      Nakagita Tomoya、Matsuya Takumi、Narukawa Masataka、Kobayashi Takuya、Hirokawa Takatsugu、Misaka Takumi
    • 雑誌名

      Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry

      巻: 87 号: 12 ページ: 1470-1477

    • DOI

      10.1093/bbb/zbad133

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Zebrafish and medaka T1R (taste receptor type 1) proteins mediate highly sensitive recognition of L-proline2023

    • 著者名/発表者名
      Goda, R., Watanabe, S., and Misaka, T.
    • 雑誌名

      FEBS Open Bio

      巻: 13 号: 3 ページ: 468-477

    • DOI

      10.1002/2211-5463.13558

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 高甘味度甘味料の後口に感じられる苦味の客観的強度評価法の改良2024

    • 著者名/発表者名
      齋藤 美優、三坂 巧
    • 学会等名
      日本農芸化学会2024年度大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 甘味受容体阻害剤が示すうま味受容体阻害活性の検討2024

    • 著者名/発表者名
      川﨑 舞子、木寺 優太、三坂 巧
    • 学会等名
      日本農芸化学会2024年度大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 甘味阻害剤前処理によるヒト甘味受容体発現細胞の細胞応答上昇のメカニズム解析2023

    • 著者名/発表者名
      荻田 健太郎、三坂 巧
    • 学会等名
      日本農芸化学会2023年度大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] L-アミノ酸に高感度で応答する魚類味覚受容体の探索2023

    • 著者名/発表者名
      郷田 竜生、渡邊 壮一、三坂 巧
    • 学会等名
      日本農芸化学会2023年度大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [備考] 塩化物イオンによる味覚受容体感度調節機構の発見

    • URL

      https://www.a.u-tokyo.ac.jp/topics/topics_20231004-1.html

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [備考] 研究室ホームページ

    • URL

      http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/biofunc/index.html

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [備考] 東京大学農学部 教員カタログ(教員紹介ページ)

    • URL

      https://www.a.u-tokyo.ac.jp/profile/prof-6424734684

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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