研究課題/領域番号 |
23K23554
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補助金の研究課題番号 |
22H02287 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
後藤 剛 京都大学, 農学研究科, 准教授 (10550311)
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研究分担者 |
高橋 春弥 京都大学, 農学研究科, 助教 (30750369)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2023年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2022年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
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キーワード | 肥満 / コレステロール / 脂肪組織 / 脂肪細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
肥満状態の脂肪組織ではコレステロールバランスの破綻が生じるとの報告があるものの、その詳細な関連性は未解明である。本研究は肥満状態の脂肪組織で認められるコレステロール代謝変化と肥満に伴う脂肪組織機能破綻の関連性について明らかにするとともに、栄養・薬理的介入の有用性を検証することを目的とし、主に以下の検討を行っている。 1)脂肪組織特異的HMGCRヘテロ欠損マウスの表現型解析 2)外因性因子によるコレステロール生合成制御を介した脂肪組織機能調節の検討
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研究実績の概要 |
本研究課題では、肥満状態の脂肪組織で認められるコレステロール代謝変化と肥満に伴う脂肪組織機能破綻の関連性について、申請者らが独自に作成・保有する遺伝子改変動物を用いて明らかにするとともに、栄養・薬理的介入の有用性を検証することを目的としている。当年度の研究実績の概要は以下のとおりである。 1)脂肪組織特異的HMGCRヘテロ欠損マウスの作成 本試験項目では、肥満病態における脂肪細胞コレステロール生合成経路の役割の検討を可 能とするため、脂肪組織特異的 Hmgcr ヘテロ欠損マウスの作成を行っている。当年度はHmgcr 遺伝子座に floxed allele のヘテロ接合体を有する Hmgcr (flox/+)マウスを作成し、Adipoq-Cre導入により脂肪細胞特異的HMGCRヘテロ欠損(Het KO)マウスを確立した。得られたHet KO マウスのの基本性状を解析したところ、通常飼育条件下での本マウスは対照マウスと同程度の成長曲線を描き、血中総コレステロール値や血糖値、血中中性脂肪値などの代謝関連の血液生化学的パラメータにも変化が認められないことが明らかになった。 2)外因性因子によるコレステロール生合成制御を介した脂肪組織機能調節の検討 本試験項目では、機能性食品や医薬品面への応用の可能性を検討するため、脂肪細胞コレステロール生合成調節能を有する外因性因子が肥満症に与える影響を検討している。当年度は肥満モデル動物に対するスタチン系高コレステロール血症改善剤投与が、肥満に伴う代謝異常症の発症に対して与える影響について検討した。その結果、スタチンの長期的な投与により、血中総コレステロール値が低下する一方で血糖値の上昇が認められ、肥満状態ではコレステロール代謝と糖代謝の間に何らかの制御関係が存在することが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当年度は、脂肪細胞特異的HMGCRヘテロ欠損(Het KO)マウスを確立し、基本的な性状解析に着手することが出来た。HMGCRはコレステロール生合成経路における律速酵素であり、Het KOマウスを樹立することで、肥満病態における脂肪細胞コレステロール生合成経路の役割の検討が可能になると考えられる。そのため、本マウスの樹立と基本性状解析は肥満状態の脂肪組織で認められるコレステロール代謝変化と肥満に伴う脂肪組織機能破綻の関連性について明らかにするという、本研究課題の研究目的の一つを達成するうえで非常に重要な位置づけとなるものであると考えられる。また、当年度の研究により、肥満モデル動物に対するスタチン系高コレステロール血症改善剤の長期的な投与により、血中総コレステロール値が低下する一方で血糖値の上昇が認められた。これより、肥満状態ではコレステロール代謝と糖代謝の間に何らかの制御関係が存在することが示唆されるとともに、外因性のコレステロール代謝調節因子によって、生体の糖質代謝の制御が可能であることが示唆された。本知見はコレステロール代謝調節の薬理的介入による肥満に伴う代謝異常発症制御の可能性を検証するという本研究課題の研究目的の一つを達成するうえで非常に重要な位置づけとなるものであると考えられる。 以上より、本研究課題はおおむね順調に進展しているものと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題では、肥満状態の脂肪組織で認められるコレステロール代謝変化と肥満に伴う脂肪組織機能破綻の関連性について、申請者らが独自に作成・保有する遺伝子改変動物を用いて明らかにするとともに、栄養・薬理的介入の有用性を検証することを目的としている。 研究目的達成に向けた今後の研究の推進方策は以下のとおりである。 1)脂肪組織特異的HMGCRヘテロ欠損マウスの解析 当年度樹立、基本性状解析を行った脂肪細胞特異的HMGCRヘテロ欠損(Het KO)マウスに対して、高脂肪食負荷を行い肥満を誘導することで、肥満状態の脂肪組織におけるコレステロール生合成経路の病態生理的意義について検討する。 2)スタチン系高コレステロール血症改善剤の投与が肥満に伴う糖質代謝異常発症に与える影響の検討 当年度の実験結果により、肥満状態ではコレステロール代謝と糖代謝の間に何らかの制御関係が存在することが示唆された。今後はその表現型について詳細に検討を行うとともに、分子メカニズムの検討を行う。
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