研究課題/領域番号 |
23K23555
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補助金の研究課題番号 |
22H02288 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
川井 清司 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 教授 (00454140)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2025年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 11,570千円 (直接経費: 8,900千円、間接経費: 2,670千円)
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キーワード | ガラス転移 / 固着 / 食感 / 非晶質粉末 |
研究開始時の研究の概要 |
殆どの食品粉末は少なくとも部分的には非晶質で、温度や水分含量の変化によってガラス-ラバー転移する。ガラス状粉末は油脂と混ぜても溶け合わず、ガラス状態を維持する。この状態から温度上昇や水分増加によってガラス化粉末がラバー状態になると、非晶質に働く凝集力と油脂との反発力によってラバーマトリクスに油脂が分散した構造体が自発的に形成される。この現象を利用して、食品成分から構成された構造体に様々な食感を自発的に付与することについて検討する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は様々な粉末を混合し、温度および相対湿度を制御することによって食品として成立し得る構造体を自発的に作り出すためのプロセス設計を検討することである。当該年度においては、非晶質粉末としてデキストリンおよびデキストリン-グルコース混合粉末を、油脂粉末としてトリラウリンを用い、温度および相対湿度を変動させることによる効果を検討した。 非晶質粉末(マルトデキストリン-グルコース)のみを用いて様々な温度および相対湿度で試料を保持したときの固着度、固着体の構造、破断応力を調べた。温度および相対湿度条件によらず、試料がガラス状態にあるときは固着が起こらず、構造体は形成されなかった。試料がラバー状態になると固着が起こり、環境温度と試料のガラス転移温度との温度差が高いほど固着体は硬くなったが、温度差がある値以上になると軟化に転じた。固着体が最大荷重を示す条件は環境温度と試料のガラス転移温度との温度差によって整理することができた。 非晶質粉末(マルトデキストリン)とトリラウリンとの混合粉末を用いて様々な温度および相対湿度で試料を保持したときの固着度および固着体の構造を調べた。マルトデキストリンのガラス転移温度以上、トリラウリンの融点以下の温度条件において、マルトデキストリン含量の増加と共に固着度は高くなった。トリラウリンの融点以上の温度条件においてはマルトデキストリンの割合によらず、ほぼ完全に固着した。非晶質粉末のガラス転移温度と油脂の融点を境に固着体の物性が大きく異なることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
試料調製に軽度な問題が認められたが、研究全体としては概ね順調に進捗しており、既に国際誌に論文1報を発表した。また、国際学会での発表も実施した。今後は新たな論文の投稿準備を進めつつ、研究を継続していく。
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今後の研究の推進方策 |
これまでと同様に非晶質粉末としてデキストリンおよびデキストリン-グルコースを、油脂粉末としてトリラウリンを用い、これらの混合物を試料としてデータを集積させていく。得られた試料(構造体)の固着率は小型振とう器によって、破断特性はレオメーターによって、内部の微細構造(マトリクス)は電子顕微鏡によってそれぞれ調べる。また、必要に応じて試料中の非晶質成分のガラス転移温度および油脂の融点を示差走査熱量計によって調べる。試料の水分活性(=相対湿度)は一般に飽和塩法によって一定温度(25℃)で調節される。これまでに予め試料の水分活性を一定に保持した後、飽和塩を除き、試料を密閉した状態で温度上昇させる方法を採用してきたが、温度上昇後に水分蒸発が起こり得るため、今後は一定水分活性に調製した試料を飽和塩と共に温度上昇させる方法についても検討する。
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