研究課題/領域番号 |
23K23557
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補助金の研究課題番号 |
22H02290 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
岩槻 健 東京農業大学, 応用生物科学部, 教授 (50332375)
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研究分担者 |
篠原 満利恵 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (00789133)
今井 啓雄 京都大学, ヒト行動進化研究センター, 教授 (60314176)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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キーワード | 霊長類 / 消化管 / オルガノイド / ホルモン / 神経伝達物質 |
研究開始時の研究の概要 |
消化管は生体内最大の内分泌器官であり、生体恒常性の維持に極めて重要な役割を果たすが、微量に分泌されるホルモンや神経伝達物質の検出が困難なため、分泌メカニズムの全容は明らかでない。最近、消化管の3次元培養系であるオルガノイド培養法が開発され、消化管上皮細胞をin vitroにおいて解析することが可能になった。しかし、消化管におけるセンサー研究はげっ歯類を用いた研究が大勢を占め、ヒトをはじめとする霊長類の細胞を用いた研究は少ない。本研究では、サルやヒトなど霊長類の消化管オルガノイドを用いて、霊長類特異的に消化管から分泌されるホルモンや神経伝達物資などの検出法の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究計画では、初年度に(1)霊長類消化管オルガノイドの作製と分化誘導系の構築を行い、並行して(2)マイクロデバイスの開発を開始することになっている。 まず、旧京都大学霊長類研究所(現京都大学ヒト行動進化研究センター)にて小腸を採取し、東京農業大学にてオルガノイドを作製した。次に、様々な条件検討を行い、培地中から増殖因子を減らした上で、Notchシグナルの阻害剤であるDBZを添加することで内分泌細胞への分化誘導が促進されることがGIP、GLP-1、Motilin、Somatostatinなどのペプチドホルモン産生を調べることにより確認された。研究ペースが想定よりも早いため、3年目に予定していた単層培養系の構築を初年度に行った。まず、三次元である消化管オルガノイドを単層培養系にすることを試み、部分的に成功させた。しかし、単層培養の効率は高くないため、単層培養時の細胞状態や培養皿の表面処理について試験を繰り返し最適な条件を模索している。 マイクロデバイスの開発は、コラーゲンゲルで中空構造を作製しその微小環境にオルガノイドが安定的に存在できるかを確かめた。現在までに、オルガノイドを完全にコラーゲン内の中空構造に配置できていないが、オルガノイドはコラーゲンゲル内に1週間ほど保持されることが確認されている。マイクロデバイスは手作りのため、3Dプリンターを使って試作を繰り返し、CO2インキュベーターの中でも形状が崩れず、灌流系に耐えうるマイクロデバイスの構築を目指している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
げっ歯類を使ったオルガノイド研究の経験を生かし、霊長類からのオルガノイド作製および内分泌細胞への分化誘導までは比較的問題なく進められた。また、苦戦が予想されていた、単層培養系の構築についても何度かのチャレンジの後、おおよその培養条件が絞り込めた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度では、霊長類オルガノイドを用いた単層培養系を完成させ、同系において内分泌細胞の分化誘導を行い、リガンドに対するホルモン分泌など種々のアッセイに用いることを目指す。マイクロデバイスの開発については、このまま継続して研究分担者と共に進め、最終的にはマイクロデバイスを用いた韓流系を完成させ、食品因子に対する種々のホルモンや分泌物の検出を行いたい。
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