研究課題/領域番号 |
23K23567
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補助金の研究課題番号 |
22H02301 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38060:応用分子細胞生物学関連
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
沖 昌也 福井大学, 学術研究院工学系部門, 教授 (60420626)
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研究分担者 |
岡本 晃充 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (60314233)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
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キーワード | エピジェネティクス / クロマチン / 1細胞解析 / 出芽酵母 / GTP / ヒストン / 酵母 / 一細胞解析 |
研究開始時の研究の概要 |
エピジェネティックな発現調節の1つとして、クロマチンが凝集したヘテロクロマチン構造が形成されると、内部に存在する遺伝子の発現が抑制されることが知られている。しかし、ヘテロクロマチン構造の確立メカニズムに関しては世界中で研究されているが、ヘテロクロマチン構造が揺らぐことによって起こるエピジェネティックな発現制御機構に関しては未だ報告されていない。また、現在までに細胞内の状態変化や外的要因等でエピジェネティックな発現状態が変化することは明らかになってきたが、細胞内の状態変化あるいは外的刺激により、特定のクロマチン構造のみを変化させるメカニズムは分かっていないため、本研究により明らかにする。
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研究実績の概要 |
エピジェネティックな発現調節の1つとして、クロマチンが凝集したヘテロクロマチン構造が形成されると、内部に存在する遺伝子の発現が抑制されることが知られている。しかし、ヘテロクロマチン構造の確立メカニズムに関しては世界中で研究されているが、本研究の目的でもある分裂を繰り返す過程で、ヘテロクロマチン構造が揺らぐことによって起こるエピジェネティックな発現制御機構に関しては未だ報告されていない。また、現在までに世界中の研究者によって細胞内の状態変化や外的要因等でエピジェネティックな発現状態が変化すること、エピジェネティックな発現制御は DNA やヒストンの修飾状態によるクロマチン構造変化によって起こることは明らかになってきたが、細胞が細胞内の状態変化あるいは外的刺激により、特定のクロマチン構造のみを変化させる間をつなぐタンパク質やメカニズムは分かっていない。本研究では、ヘテロクロマチン領域近傍に存在し、ヘテロクロマチン領域が変動し発現が誘導される遺伝子に注目し、破壊株を用いた解析やランダムに変異を導入する解析手法を用い、エピジェネティクス研究分野で未だ解明されていない細胞内の状態変化を感知し特定のクロマチン構造を変化させるまでの間を繋ぐタンパク質を同定し、必要に応じたヘテロクロマチン領域の変化による新規遺伝子発現制御機構の分子レベルでのメカニズム解明を目指す。昨年度までの解析により、ヘテロクロマチン領域制御因子を同定し、また、個々の細胞内のGTP量を検出出来る化合物の合成に成功した。今年度は我々が独自に確立した一細胞追跡システムを用い、エピジェネティックな発現がどのタイミングでどのような因子により制御されているかをより詳細に明らかにする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画通り、網羅的なスクリーングを行い、エピジェネティックな発現に影響を及ぼす酵母株の分離に成功した。また、破壊株を用いたスクリーニングにより、ヘテロクロマチン領域の境界に関与する新規の遺伝子を特定した。上記結果をもとに2報の学術論文を報告した。また、一細胞追跡システムにおけるGTP検出技術に関しても計画通り検出システムを作製し、解析を行った。本研究を進めていく過程で、研究計画時には想定していなかった現在のエピジェネティクス分野の概念とは異なる興味深い表現型を見出した点から「当初の計画以上に進展している」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
スクリーニングで同定された遺伝子から、エピジェネティックな発現の制御にDNA複製の関与が示唆された。今年度は新たにDNA複製の変異株も用い、エピジェネティックな発現制御とDNA複製の関与を明らかにする。また、一細胞追跡システムを用い、生体内のGTP量とGTP合成に関わる遺伝子の発現量の関係性も明らかにする。
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