• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

カルシウム結合蛋白質を介するリソソーム膜の損傷応答機構の分子基盤解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K23568
補助金の研究課題番号 22H02302 (2022-2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2022-2023)
応募区分一般
審査区分 小区分38060:応用分子細胞生物学関連
研究機関名古屋大学

研究代表者

柴田 秀樹  名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (30314470)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2024年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
キーワードリソソーム / カルシウム結合蛋白質 / ESCRT / アネキシン / カルシウム / カルモデュリン
研究開始時の研究の概要

リソソームは細胞内消化を担う細胞小器官であり、その内腔は酸性で多種の加水分解酵素を含んでいる。リソソーム膜が損傷すると、その内包する加水分解酵素やカルシウムイオンが細胞質に流出することで細胞の恒常性が破綻する。一方で、カルシウムイオンは損傷したリソソーム膜の修復や新生リソソームの合成のための遺伝子発現の引き金を引くことが知られている。本研究では、このカルシウムイオンに応答する細胞質の蛋白質に焦点を当て、その生理機能を解明することで、リソソーム損傷が要因となって発症する疾患の治療法および予防の標的となる蛋白質間相互作用の同定を目指している。

研究実績の概要

リソソームは細胞内消化を担う膜で覆われた細胞小器官であり、その内部は酸性で多種の加水分解酵素をもつ。様々な要因でその限界膜が裂孔することが知られているが、そのような損傷リソソームから加水分解酵素や水素イオンが漏出する。また、リソソーム内腔は比較的高濃度のカルシウムイオンを含み、損傷リソソームから漏出するカルシウムイオンはシグナル物質として機能し、膜損傷の修復やリソソームの新規合成を活性化する。研究代表者らは、損傷リソソームにカルシウム結合蛋白質ALG-2が動員される現象を見出しているが、その役割は未解明であり、また他のカルシウム結合蛋白質の関与は報告されていない。本年度は以下の解析をすすめた。
(1) 昨年度はリソソーム損傷を誘発した細胞においてALG-2の近傍に存在する蛋白質として同定されたLIP5について、その発現抑制が損傷リソソーム応答に及ぼす影響を解析したが、本年度はCRISPR-Cas9を用いたゲノム編集技術によりLIP5のノックアウト細胞を樹立した。
(2) 昨年度、LIP5の損傷リソソームへの動員にはカルシウムが必要であるが、ALG-2は必要でないことを明らかにしたが、本年度はLIP5のカルシウム依存性の損傷リソソームへの動員におけるカルモデュリンの関与を検討した。カルモデュリン阻害剤をリソソーム損傷誘発剤と同時に添加した細胞では、LIP5のリソソーム局在が観察されなかった。
(3) カルシウム結合蛋白質アネキシンA11の筋萎縮性側索硬化症の発症に関連する変異体蛋白質がリソソーム損傷刺激を加えた細胞の細胞質において凝集体を形成することを示した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

リソソーム損傷が誘発された細胞の細胞応答にカルモデュリンが関与する可能性を新たに見出した。

今後の研究の推進方策

カルモデュリン阻害剤を処理した細胞においてESCRT蛋白質であるLIP5のリソソーム動員が観察されなかったことから、カルモデュリンが損傷リソソームに動員される可能が考えられる。そこで、カルモデュリンとESCRT構成蛋白質の相互作用を網羅的に検討する。また、カルモデュリンの損傷リソソームへの動員に関して生化学的、細胞生物学的手法を用いて解析する。

報告書

(2件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 筋委縮性側索硬化症関連Annexin A11バリアントの細胞内安定性と凝集体形成の解析2024

    • 著者名/発表者名
      天野柊吾、林本敬大、牧正敏、高原照直、柴田秀樹
    • 学会等名
      第5回日本アネキシン研究会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] ALS発症に関連するアネキシンA11バリアントの細胞内安定性と凝集体形成との関連2023

    • 著者名/発表者名
      天野柊吾、林本敬大、牧正敏、高原照直、柴田秀樹
    • 学会等名
      第96回日本生化学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] リソソーム損傷応答におけるESCRT-IIIタンパク質IST1とLIP5/VTA1の役割2023

    • 著者名/発表者名
      森花菜子, 川野琢己, 牧正敏, 柴田秀樹, 高原照直
    • 学会等名
      日本農芸化学会2023年度大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi