研究課題/領域番号 |
23K23585
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補助金の研究課題番号 |
22H02320 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39010:遺伝育種科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
川勝 泰二 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 上級研究員 (30435614)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2023年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2022年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
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キーワード | 転写因子 / 環境ストレス / エピゲノム / イネ / ERF / ERF転写因子 / ヒストン修飾 |
研究開始時の研究の概要 |
植物特異的なERF転写因子はホルモン応答、ストレス応答、発生など、様々な農業上重要な生命現象の制御に関わっている。したがってERF転写因子群の機能を解明し利用することで、収量性の向上やストレス耐性付与など、作物の生産性を向上させた育種につながることが期待される。ERF転写因子には転写活性化型と転写抑制型が存在するが、その転写制御分子機構の大部分が不明である。本研究では変異体の機能解析とエピゲノム解析により、節間伸長や冠根形成・伸長の制御によって環境ストレス適応に関わるERF転写因子を介した転写制御分子機構を解明する。
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研究実績の概要 |
植物特異的なERF転写因子は様々な農業形質を司る遺伝子発現制御に関わるため、育種的利用が期待される。ERF転写因子には転写活性化型と転写抑制型が存在 し、双方向の転写制御を担うが、その分子機構は不明である。そこで本研究では、環境ストレス適応に関わる2つのERF転写因子をモデルとして (1) ERF転写因子 に制御される遺伝子群の同定と(2) ERF転写因子によるエピゲノム制御機構を明らかにすることで、ERF転写因子を介した転写制御分子機構を解明することを目的 とする。 (1) ERF転写因子に制御される遺伝子群の同定 N末にFLAGタグを融合したOsERF3、SNORKEL1 (SK1)、SK2を過剰発現する形質転換体を作出した。SK1およびSK2過剰発現体ではmRNA・タンパク質レベルで発現が確認できたが、OsERF3過剰発現体ではmRNAレベルにおいては過剰発現が確認できたが、タンパク質の発現が検出できなかった。OsERF3は非ストレス条件では翻訳制御もしくは翻訳後制御を受けていることが示唆された。 (2) ERF転写因子によるエピゲノム制御機構 OsERF3欠失系統においてコントロール、浸透圧ストレス条件下において活性型ヒストン修飾であるH3K4me3、H3K9ac、H3K27ac蓄積パターンを観察したところ、OsERF3欠失系のみで蓄積パターンが変化するヒストン修飾は検出できなかった。抑制型転写因子であるOsERF3は活性型ヒストン修飾の制御によらない発現抑制を行なっていることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通りOsERF3転写因子を欠失する形質転換体のエピゲノム解析を完了した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は活性型転写因子と想定されるSK1、SK2過剰発現体を用いたエピゲノム解析を実施し、活性化型ERF転写因子によるエピゲノム制御の有無を明らかにする。
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