研究課題/領域番号 |
23K23596
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補助金の研究課題番号 |
22H02331 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39030:園芸科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山岸 真澄 北海道大学, 農学研究院, 准教授 (40210348)
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研究分担者 |
中塚 貴司 静岡大学, 農学部, 教授 (60435576)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2023年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2022年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | PTGS / SPL / microRNA / reverse genetics / phase transition / juvenile phase |
研究開始時の研究の概要 |
ユリは幼若相が長く、種子から育てると開花までに数年かかるため栄養繁殖されている。栄養繁殖は種子繁殖と比べて欠点が多く、できるならば種子繁殖に変更したい。そのためには幼若相を短くして播種後早期に開花に至る品種・系統を開発する必要がある。本研究では幼若相から成熟相への変換に関わる遺伝子やマイクロRNAを解析して、どれが相変換に大きく寄与しているのか明らかにする。つぎに相変換に関わる因子を改変して、早期に開花する品種・系統を開発する。
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研究実績の概要 |
ユリは幼若相の期間が長く、種子から育てると開花までに数年かかるため営利栽培では栄養繁殖されている。SQUAMOSA PROMOTER-BINDING PROTEIN-LIKE (SPL) 遺伝子ファミリーは幼若相から成熟相への転換や花成誘導を制御する転写因子で、microRNA156 (miR156) によって負に制御され、花成を誘導するageパスウェイにおいて中心的な役割を担っている。これまでの研究よりユリのSPL遺伝子は花成ホルモンのFTよりもより密接に花成に関わっていると予測されている。本研究では、(1) ユリの形質転換体を用いたreverse geneticsにより個々のSPL遺伝子の機能を明らかにして、ユリの花成誘導機構の全体像を解明する。(2) miR156蓄積量の減少とSPLの発現を促進する内的・外的な要因を検討する。本研究の結果、多年生植物の多様な花成誘導機構がまた一つ明らかになる。相転換に関わるSPLの発現を促進する条件が分かれば、幼若相の期間を短縮する手がかりとなり、種子繁殖性ユリの開発につながる。 これまでにSPL13a、SPL9、SPL15、MIM156(miR156の蓄積を抑制する)と、FT1、FT8を過剰発現させた形質転換ユリを育成し、遺伝子の機能解析を進めた。ユリのSPLは幼若相から成熟相への転換や花成誘導を制御するが、そのなかでも節間伸長(抽苔)に多大な効果を示すことが明らかになった。節間伸長に対するSPLの効果は他の植物種では報告されていない。得られた結果をもとにユリのageパスウェイ全容の解明を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
形質転換ユリの育成とこれらの解析が予定通りに進んでいる。得られた結果をとりまとめて学会発表や論文投稿を行うまでには至っていないが、ユリは形質転換体の作出に時間がかかるため、これは当初から想定されたことである
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今後の研究の推進方策 |
形質転換ユリの結果を取りまとめて(詰めの実験を行なって)、論文投稿を行う。miR156蓄積量の減少とSPLの発現を促進する内的・外的な要因を検討する。得られた結果をもとにユリのageパスウェイ全容の解明を進める。
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