研究課題/領域番号 |
23K23603
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補助金の研究課題番号 |
22H02338 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39030:園芸科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
藤本 龍 神戸大学, 農学研究科, 准教授 (60620375)
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研究分担者 |
奥崎 文子 玉川大学, 農学部, 准教授 (40759750)
藤井 壮太 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (90716713)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2025年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 雑種強勢 / ヘテロシス / 顕性遺伝子座 / DNAメチル化 / アブラナ科 |
研究開始時の研究の概要 |
雑種強勢とは、ある特定の両親系統間の交雑によって得られた雑種第一代が両親よりも優れた形質を示す現象であり、この特性を利用し収量性を向上させた一代雑種品種が多くの農作物で育成されている。しかし、本研究課題の問いであるどのような系統を掛け合わせれば雑種強勢が発現するのかは、どの植物種でも明らかになっていない。そこで本研究では、遺伝学的解析、F1世代のみを利用したゲノムワイド関連解析、全ゲノムDNAメチル化解析により、雑種強勢の発現を引き起こすのに必要な両親系統の組合せ条件を特定する。
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研究実績の概要 |
雑種強勢とは、ある特定の両親系統間の交雑によって得られた雑種第一代が両親よりも優れた形質を示す現象である。どのような系統を掛け合わせれば雑種強勢が発現するかは、どの植物種でも明らかになっていない。そこで本研究では、遺伝学的解析、F1世代のみを利用したゲノムワイド関連解析、全ゲノムDNAメチル化解析により、雑種強勢の発現を引き起こすのに必要な両親系統の組合せ条件を特定する。 今年度は、収量や収穫期の植物サイズのQTLについて、組換え個体を選抜し、圃場栽培試験を行い、3領域について、雑種強勢関連領域の絞り込みを実施した。遺伝子型の決定はGRAS-Diを用いて実施した。また、播種後14日と21日の本葉のサイズのQTL領域の中から、候補遺伝子の探索を進めた。 80のハクサイ品種について、播種後14日の本葉を用いたRNA-seq解析のデータから、発現情報を収集し、SNPsを同定した。ゲノムワイド関連解析のための、条件設定 (ヘテロ接合型の判定基準の決定)を進めている。 F1について、5つの生育ステージ (圃場へ移植後10、20、30、40、50日)について、葉組織から抽出したDNAを用いて全ゲノムDNAメチル化解析のためのシークエンスまで実施した。現在、DNAメチル化解析を実施している。分離集団から選抜したF6の2系統について、全ゲノム配列の決定と全ゲノムDNAメチル化解析を行った。 ハクサイについて、DDM1の機能喪失変異体の全ゲノムDNAメチル化解析を行い、ゲノム全体でDNAメチル化の低下が生じていることや、DDM1の機能喪失が生育に影響を及ぼすことを明らかにした。そして、DDM1依存的なDNAメチル化領域の特定を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
雑種強勢関連領域の絞り込み、複数ステージでの全ゲノムDNAメチル化解析、DNA低メチル化変異体の作出とその全ゲノムDNAメチル化解析を行っており、研究は当初の予定通り進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
前年度の、研究を継続して実施し、雑種強勢関連領域の限定、さらには候補遺伝子の探索を行う。また、RNA-seqにより同定したSNPsを利用したゲノムワイド関連解析を実施する。2022年度に実施した全ゲノムDNAメチル化解析を継続して行い、両親系統とF1でDNAメチル化レベルが異なる領域を同定するとともに、2022年度と2023年度に実施した全ゲノムDNAメチル化解析から、DNAメチル化が生育ステージでどの程度変化するかを明らかにする。ハクサイのddm1変異体については、継続して全ゲノムDNAメチル化解析を進め、DDM1依存的なDNAメチル化領域の特定を行う。
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