ほ乳類のみならずミツバチなどの益虫に対しても安全な合成殺虫剤は、持続可能な農業生産において非常に重要であり、非標的昆虫種に対して毒性を示さない薬剤、すなわち昆虫種間で選択性を示す薬剤の開発が期待される。これまでに、申請者らは、昆虫種由来nAChRを機能発現させる手法を確立してきた。本研究では、同手法を発展させることで様々な昆虫種由来のnAChRの再構築系を確立し、多種類のケミカルリガンドの作用特性を電気生理学的に解析するとともに、標的受容体におけるリガンド認識機構をX線結晶構造解析およびクライオ電子顕微鏡法により解析することで、昆虫種間で選択性を示す薬剤開発の分子基盤の構築を目指す。
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