研究課題/領域番号 |
23K23617
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補助金の研究課題番号 |
22H02352 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39040:植物保護科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
瀬尾 茂美 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, グループ長 (80414910)
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研究分担者 |
村田 未果 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 植物防疫研究部門, 上級研究員 (30360259)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,120千円 (直接経費: 12,400千円、間接経費: 3,720千円)
2024年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2023年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
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キーワード | 害虫抵抗性 / アポカロテノイド / タンパク質リン酸化 |
研究開始時の研究の概要 |
先行研究において代表者らはロリオライドやα-ヨノンはジャスモン酸に非依存的な害虫抵抗性を植物に誘導することを見出した。また、最近、ロリオライド応答性遺伝子としてある種のセリン/スレオニン型プロテインキナーゼを同定した。以上を踏まえ、本研究では、ロリオライド応答性プロテインキナーゼについて、アポカロテノイド処理による活性化の様相を調べるとともに、相互作用因子の探索と機能の解析を行うことを通じて植物のジャスモン酸非依存的害虫抵抗性の分子機構に関する知見を得ることを目的とする。
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研究実績の概要 |
植物の害虫抵抗性は、ジャスモン酸が重要な役割を演じていることが知られているが、ジャスモン酸非依存的なシグナル伝達経路の存在も示唆されている。これまで本代表者らはアポカロテノイドであるロリオライドやその類縁体α-ヨノンはミカンキイロアザミウマ等の重要害虫に対して殺虫活性を示さず植物に抵抗性を誘導すること、その抵抗性はジャスモン酸に依存しないことを見出した。本研究では、これらアポカロテノイドによって誘導されるジャスモン酸非依存的害虫抵抗性のシグナル伝達機構の解析を行うことを目的とする。幅広いプロテインキナーゼの検出に用いられるin-gel kinase assayによりロリオライドやα-ヨノンを処理したシロイヌナズナ葉中におけるプロテインキナーゼの活性化様相を人工基質であるヒストンを用いて調べたところ、化合物処理に応じた活性化が認められた。当該キナーゼの候補タンパク質をコードする遺伝子に対する機能喪失変異株を用いて、同様にin-gel kinase assayを実施したところ、野生型で見られた活性化が減衰していることが確認できた。当該遺伝子産物に対する特異的抗体の作出を試みたが、同じ遺伝子ファミリーに属する別プロテインキナーゼ遺伝子の産物ともcross reactionしたことから、次年度は別の抗原領域に対する抗体の再作製を実施する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目標であるアポカロテノイド処理で応答するプロテインキナーゼ候補の同定は達成でき、当該キナーゼに対する特定的抗体の作出はできたことから、おおむね順調に進展していると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
同定したプロテインキナーゼ候補の機能解析を重点的に進めていく。そのためには特異的抗体が必要となるので、初年度において設計した抗原ペプチドに対応するアミノ酸領域とは別の領域に着目することとする。また、機能喪失変異株を用いた害虫抵抗性検定を実施するための条件(化合物の濃度や処理条件、害虫種の違い等の)検討にも着手する。
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