研究課題/領域番号 |
23K23639
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補助金の研究課題番号 |
22H02374 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39070:ランドスケープ科学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
加藤 顕 千葉大学, 大学院園芸学研究院, 准教授 (70543437)
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研究分担者 |
堀田 紀文 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (00323478)
三谷 徹 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (20285240)
堤田 成政 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (20650352)
早川 裕弌 北海道大学, 地球環境科学研究院, 准教授 (70549443)
鈴木 智 千葉大学, 大学院工学研究院, 准教授 (90571274)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2024年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2023年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2022年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
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キーワード | ドローン / 空隙 / コリドー / レーザー / 3次元 / 森林構造 |
研究開始時の研究の概要 |
ランドスケープや建築のデザインでは空間の空隙をvoid(ヴォイド)と表現し、有形物だけに注目してきたが、本研究では有形物以外の空間に注目し、空隙の空間分布を理解する。空隙には、見通しや風通し、光の透過、動植物の生息地や人の滞在などの様々な機能がある。特に、本研究では森林で囲まれた特別な空隙の価値を、多層的な分布様式として把握し、評価できるようにする。
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研究実績の概要 |
森林内空隙分布を正確に取得し空隙マッピングを行った。森林内空隙分布をドローンに搭載したレーザーで3次元マッピングする予定であったが、森林内を飛行するドローンに必要なパラメータ調整に時間がかかり、森林内飛行はできなかった。しかし、レーザーによる森林内3次元データ取得を行い、ボクセル処理を行うことで空隙の分布を把握することができた。有形物以外で森林内に位置する空隙を森林内空隙と定義し、空隙の大きさや空間配置を正確に把握することができた。これらの結果から、空隙と森林内有形物との関係を把握することができた。 空隙データを様々な林地でデータ取得を行い、針葉樹の一斉林、または針広混交林など様々な林分による空隙の特徴を比較できるようにした。針葉樹一斉林の対象地として千葉県山武市の森、自然災害が多発する地域の代表的な森林として、北海道の十勝地方の地すべり地でデータ取得を行った。針広混交林の対象地として、東京都野山北六道山公園でデータ取得を行った。また、庭園での空隙の空間利用を検討するために、京都の庭園でもデータ取得を行うことができた。これら様々な森林タイプで、3次元データを比較検討することができる。 また、空隙の空間的特徴を把握するために、3次元データによる有形物(樹木バイオマス)と空隙との関係を比較したところ、高さによって違いがあり、樹木下部(幹部)では負の関係があったが、樹木上部(樹冠部)では正の関係となった。空隙は樹冠に囲まれた部分と定義しているため、樹木下部では幹部が増えるほど(立木密度が高くなるほど)空隙が減るが、樹木上部では樹冠部が大きくなるほどその隙間である空隙も増える関係になることが明らかになった。これらの結果から、さらに空隙の3次元的分布と役割を明かにしていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ドローンレーザーの森林内飛行については、障害物検知や安定飛行の開発に時間がかかるため、自動飛行は容易には実現できないことがわかった。しかし、森林内を飛行するドローンがなくても、小型レーザーによって森林内の空隙を把握できるため、空隙の3次元データを取得し、研究を進めることができる。最近では高密度でデータ取得できるドローンレーザーを森林上部で飛行させても、森林内のデータを取得できることがわかったため、新しい機材を用いて森林上部からデータ取得することで連続的な空隙の分布の把握を検討する。または、ドローンで自動飛行が実現できなくても、森林内をマニュアル飛行することでデータを取得できるように工夫していきたい。
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今後の研究の推進方策 |
森林内空隙(biovoid)の価値を把握するために、森林内環境を把握できる気象センサーを設置し、森林内環境を3次元的に解析できるようにする必要がある。空隙の大きさ(またはその位置)を比較し、空隙が作り出す環境を「量」として評価できるようにしたい。さらに、空隙の機能を階層的に評価し、その関係性を把握できる手法を検討したい。
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