研究課題/領域番号 |
23K23641
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補助金の研究課題番号 |
22H02376 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
福澤 加里部 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 准教授 (10456824)
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研究分担者 |
谷口 武士 鳥取大学, 国際乾燥地研究教育機構, 准教授 (10524275)
舘野 隆之輔 京都大学, フィールド科学教育研究センター, 教授 (60390712)
智和 正明 九州大学, 農学研究院, 准教授 (30380554)
菱 拓雄 九州大学, 農学研究院, 准教授 (50423009)
松山 周平 酪農学園大学, 農食環境学群, 准教授 (30570048)
木庭 啓介 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (90311745)
野村 睦 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 助教 (20271629)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2022年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | ササ除去 / 土壌 / 無機態窒素 / 外生菌根菌 / アーバスキュラー菌根菌 / 林床植生 / 土壌窒素 / アンモニウム態窒素 / 硝酸態窒素 / ササ / ミズナラ / 菌根菌 / 森林 / 無機態窒素量 / 窒素無機化 / 硝化 / バイオマス / 土壌動物 |
研究開始時の研究の概要 |
森林の代表的な林床植生でありアーバスキュラー菌根(AM)タイプのササに着目し、外生菌根(ECM)菌タイプの樹種が優占する森林におけるササの存在量の違いが土壌窒素動態と土壌微生物・土壌動物の群集構造や存在量に及ぼす影響を明らかにする。土壌中の無機窒素量や生成速度、土壌中の真菌、細菌・古細菌の群集構造と窒素循環に関わる機能遺伝子群量の評価、植物の窒素吸収の定量的な評価を行い、林床植生の存在が森林の窒素動態メカニズムに及ぼす影響の統合的な解明を目指す。
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研究実績の概要 |
ササ類の消失が森林土壌の窒素動態に及ぼす中長期的な影響を解明するため、ササ地上部除去開始から時間が経過した森林において、土壌中の無機態窒素量と正味の窒素無機化速度を測定した。北海道北部の北海道大学中川および天塩研究林、東部の京都大学北海道研究林標茶区(標茶)、九州大学北海道演習林(足寄)にてミズナラを対象木とし、ササ除去区と非除去区(対照区)を設定した。ササ除去開始から5年~20年以上経過したサイトを用いた。中川ではクマイザサ、天塩ではチシマザサ、標茶と足寄ではミヤコザサがそれぞれ林床に密生していた。また天塩では皆伐から20年経過したクマイザサ群落においても調査を行った。今年度は標茶での土壌採取、小型節足動物の存在量およびササ存在量の調査を行い、全サイトでの無機窒素量と正味窒素無機化・硝化速度の測定が完了した。 土壌の採取、分析においては、夏季に表層10㎝土壌を採取し、アンモニウム態・硝酸態窒素量 (NH4-N, NO3-N)と無機態N量(NH4-N + NO3-N)、正味のNH4-N・NO3-N生成速度およびそれらを合計した窒素無機化速度を定量した。 ササ除去はNH4-N量を有意に減少させ、無機態窒素量も減少させる傾向があった。一方、ササ除去はNO3-N量には有意な影響を及ぼさなかった。正味の窒素無機化速度はササ除去により有意に低下した。NH4-N量、NO3-N量、無機態窒素量と正味のNO3-N生成速度、正味の窒素無機化速度はサイト間で有意に異なっており、特にNO3-N量、正味のNO3-N生成速度が北海道東部の標茶、足寄で高く、北海道北部の中川、天塩で低かった。トビムシ、捕食ダニ等の存在量はササ除去区の方が低かった。 以上からササ消失は中長期的には土壌の窒素無機化を抑制し、無機窒素量を減少させ、小型節足動物の動態にも影響を与えることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
全サイトでの土壌と土壌動物の採取、ササバイオマスの定量、土壌の無機態窒素量と正味窒素無機化速度の測定が完了した。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き化学分析、DNA解析と収集したデータの解析を進め、パラメーター間の関係の解析を含めて、ササ除去の影響メカニズムを統合的に解析する。
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