研究課題/領域番号 |
23K23644
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補助金の研究課題番号 |
22H02379 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
林 宇一 宇都宮大学, 農学部, 准教授 (60713196)
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研究分担者 |
田中 亘 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (00353764)
藤野 正也 福島大学, 食農学類, 准教授 (00792392)
芳賀 大地 鳥取大学, 農学部, 助教 (10776438)
林 雅秀 山形大学, 農学部, 教授 (30353816)
多田 忠義 農林水産省農林水産政策研究所, その他部局等, 研究員 (40725248)
藤掛 一郎 宮崎大学, 農学部, 教授 (90243071)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 農林業センサス / 国勢調査 / センサスデータ / 林業経営体 / 林業従事者 / 林業 |
研究開始時の研究の概要 |
農林業センサス,国勢調査ともに,全国を対象として5年ごとに実施される大規模調査となる。このため,これらの分析を通じた実態把握が極めて重要なことは言うまでもなく,併せていずれも基幹統計に該当するため,行政施策の方向性決定への活用も極めて重要となる。しかしながら,実態としては,農林業センサスは行政報告書での活用が限定的であり,また国勢調査に関しては利用はほぼ行われていない状況にある。 そこで本研究では,これら統計を用いて有益な分析を行って特に行政での活用活性化を模索し,継続的利用からこれら統計の必要性を高めていくことを目指していきたい。
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研究実績の概要 |
現在、日本の林業は大きく変化しつつある。主な担い手は山林所有者から受託して林業作業を行なう林業事業体へシフトし、常雇い労働者が林業従事者の中心となりつつある。また、伐採の中心は間伐から主伐となる一方、再造林遅れが懸念されている。本研究では、農林業センサスと国勢調査のミクロデータを用い、こうした日本林業の変化の詳細を明らかにする。 具体的には、農林業センサスから、(1)林業作業の委託はどこでどのように進んでいるのか、(2)再造林はどのような林地で遅れ、どのような事業体が主に担っているのかを明らかにする。また国勢調査からは、(3)林業従事者の世帯分析・個人分析を行い、農林業センサスでは捉えきれていない、林業作業者像の新たな側面が観察されることを明らかにする。さらに、市町村が一層森林管理への関与を求められる中、(4)農林業センサスと国勢調査を市町村単位で集計することで、林業が盛んな市町村が持つ特徴などを明らかにする。 本年度は,この目的を目指し,まずは農林業センサス個票データの提供を農林水産省に申請,許可が下りて取得できた。取得に際し,先行研究を踏まえ,期間を2010年以後の計3回調査に限定し,そのデータを客体レベルで接続させた。また,林業経営体の区分も,公式のものは林業の分類としては必ずしも適さないので,公式の経営体区分と名称データをもとに林業経営体を再分類した。また,2020年に関しては林業従事者データが細かく取得されていたため,これを2020年の林業経営体データのみと接続させ,2020年データとして作成した。このようにして,農林業センサスに関して分析を行うための基盤となるデータセットの作成を完成させた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
まず,2回のオンライン会議を行う中で,参加研究者間で研究テーマについてブラッシュアップを図り,それぞれが取り組みたいテーマの具体像及び必要とするデータ項目の明確化を行った。これによって申請するデータ項目を明確化させ,農林業センサス調査票データの利用申請書を作成した。次に,具体的に農林水産省と連絡を取り合いながら農林業センサスの調査票データ利用申請を行い,2010年,2015年,2020年の各調査年の調査票データを取得した。これらについて構造動態マスタを使用して客体単位で接続を行い,2010年から2020年までのパネルデータを客体レベルで作成した。さらに,名称データから経営体を,林業経営の視点から森林組合を施設森林組合と生産森林組合に分け,地方公共団体・財産区からは財産区を分離させる形で分類した。全データに該当する全国データセットは,併せて都道府県別のものも作成した。 また,2010年,2015年,2020年のいずれかで一度でも林業経営体となった客体に絞ったデータも抜き出す形でデータセットを作成した。加えて,2020年は従事者について詳細把握が行われていたことから,従事者データは別で受け取ることとなったが,これを経営客体と接続させることも行った。 これらの作業を行ったのち,共同研究者にデータセットを配布,分析が開始される状態にある。
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今後の研究の推進方策 |
農林業センサスに関しては,各共同研究者に配布したところであるので,こののち一度オンライン会議を通じて各研究者の取り組むテーマについて確認・更新を行い,各共同研究者は農林業センサスの分析を開始する。一度の成果報告の年度内実施を目指す。また,農林業センサスの接続過程に関する記録を残すため,論文執筆を開始する。 併せて,国勢調査の調査票データ利用申請手続きを開始させる。これについても,各共同研究者とオンライン会議を開催して連絡を取り,各自が必要とする調査項目について整理・明確化を行い,しかる後に,国勢調査の調査票データ利用申請を行う。同申請は,農林業センサスが農林水産省であったのに対し,申請対象は総務省となる。データの利用申請,取得後は,農林業センサスと同様の作業を経,各共同研究者に配布される。 これらによってデータが手元に届いたのち,農林業センサスに続いて国勢調査についても分析を行い,地域における林業の特徴を明らかにしていく。
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