研究課題/領域番号 |
23K23655
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補助金の研究課題番号 |
22H02390 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
今井 伸夫 東京農業大学, 地域環境科学部, 准教授 (00722638)
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研究分担者 |
青柳 亮太 京都大学, 白眉センター, 特定助教 (20795132)
森 大喜 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (90749095)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
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キーワード | 栄養塩利用効率 / 施肥実験 / 菌根菌 / 樹木サイズ / 炭素制限 |
研究開始時の研究の概要 |
温暖多湿な熱帯域の土壌は風化が強く進んでいるため、リン(P)の濃度が非常に低い。リンは生物の生産性を強く制限する生元素であるため、P欠乏土壌上に成立する熱帯林の生産・分解はP制限を受けていると考えられてきた。しかし驚いたことに、近年の熱帯各地での施肥実験結果によれば、熱帯原生林の成長がPによって制限されている証拠は一つもない。この原因は実験デザインの不備によるとされてきたが、申請者らはこの定説に異を唱え、P制限仮説の矛盾解明と新たなパラダイムの創出に挑む。世界で唯一、樹種組成を考慮した解析ができる大規模施肥実験区において、樹木群集と土壌微生物のP制限に対する適応メカニズムを明らかにする。
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研究実績の概要 |
マレーシア・サバ州デラマコットの原生林と二次林において、0.12 haプロットがそれぞれ4処理(P施肥、N施肥、P・N施肥、無施肥)×3反復ずつ設置されている。各プロットにおいて、リタートラップ法による葉生産の測定を継続するとともに、毎木リセンサス調査を行い幹生産を算出した。樹木のP利用効率を明らかにするため、菌根菌共生率と根滲出物量、材と葉のP再吸収効率に関する野外調査・サンプリングを行った。4処理区で優占するEM, AM性樹種の両方を含む8種×3個体を対象とした。菌根菌共生率の測定のための細根サンプリング、ガラス・フィルター法による細根からの根滲出物のサンプリングを行った。また、材(成長錘)、生葉(高枝切とパチンコ)、落葉(リタートラップ)を採集した。現在、サンプルの化学分析を実施している。 なぜ樹木がリン欠乏において高い生産性が達成できているのか(=低リン環境で強いリン制限を受けずに成長できるのか)について網羅的なレビューを行った。その結果を、樹木の適応の重要性について仮説を提唱する論文を出版した。 土壌微生物の栄養制限を酵素の比率から予測できるとする近年世界的に広がっている新理論(酵素ストイキオメトリー理論)に異を唱えて理論的な反証を行った。また、この理論的反証を基に、「酵素ストイキオメトリー理論が熱帯林の土壌微生物活性がリン制限を受けていることが証明された」とする主張に対する反論を展開した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
サバ州の施肥実験区における生物サンプル(細根、滲出物、材、生葉、落葉)のサンプリングが、予定どおりすべて終了した。また、コロナによって中断していたリター回収や毎木リセンサスも、再開することができた。 フタバガキ科樹木のデータを用いてリン利用効率と関わる形質と樹木個体のリン収支をモデル化し、理論的に低リン環境への適応と成長速度との関係を調べた。これにより小さいサイズの個体は、形質の変化によりリン利用高膣を高めることができず、リン制限が起こりやすいことを示した。 「熱帯林の土壌微生物活性がリン制限を受けている」というパラダイムを支持する新たな根拠である酵素ストイキオメトリー理論に関する理論的検証を一通り完了し、本理論の誤りを明示することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、サンプリングしてきた生物サンプルの化学分析を実施する。リン欠乏適応については、複数の種を対象に調査を進める。また、微生物はリンではなく炭素によって制限されていることを明らかにするためのリン添加実験を行う。
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