研究課題/領域番号 |
23K23660
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補助金の研究課題番号 |
22H02395 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
研究代表者 |
平井 敬三 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (80370287)
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研究分担者 |
齋藤 智之 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (00414483)
梅村 光俊 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (00737893)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2026年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2025年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | タケ4種共存 / 一斉開花 / ケイ素 / タケ4種共存 / タイ王国 / ケイ酸集積 / 一斉開花現象 / 山火事耐性 / 立地環境 |
研究開始時の研究の概要 |
タイの熱帯季節林ではタケ類の多様性が高いが、共存機構に関する仮説はなかった。本研究では、山火事がタケ類の共存を規定するという仮説 を提唱し、検証する。タケの種間では、「山火事に対する耐性」と「一斉開花後の更新・成長」との間にトレードオフが存在し、地形に応じて 異なる山火事レジームの中で共存するという仮説を検証する。本研究は、長期観測データを使って、地形に応じたタケ類4種の分布の違いや、 一斉開花後の更新過程、山火事の頻度を明らかにする。また、山火事に対する耐性をタケ類の稈への資源投資やケイ素濃度の種間差から明らか にした上で、この山火事への耐性形質と、開花後の更新・成長とのトレードオフ関係を検証する。
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研究実績の概要 |
タケ類の山火事耐性機能、更新初期成長と耐性機能とのトレードオフ関係解明のため、山火事頻度と到達度調査とタケのケイ酸分析の予備実験を行い、近年10年間は山火事が高頻度にあること、タケ部位によって実験条件を変える必要があることが明らかになり、タケ類の山火事耐性機能とそのトレードオフ関係解明に向けた知見が得られた。 タケ類の更新初期成長と山火事耐性形質とのトレードオフ関係解明のため、山火事頻度と火事ごとの延焼範囲をカウンターパートへの聞き取り調査から特定した結果、最近の約10年間は毎年尾根部に延焼しており、種組成が変化する可能性が予測された。試験地内の山火事調査は、現地調査員の聞き取り調査から予想以上の山火事到来頻度であることが分かってきた。これにより耐火特性の低いタケ種・樹種から山火事により種の焼失が起こり、近い将来試験地内のタケや樹種の組成が変化すると考えられる。 山火事耐性機能の種間差と特徴形質およびその獲得機構の解明のため、タケのケイ酸集積と耐火形質との関係性の予備実験に着手した。タイでのタケのケイ酸分析の実施に向けて、国内のモウソウチクのリター葉と稈を用いて、簡易な乾式灰化法または炭酸ナトリウム抽出法を検討した。乾式灰化法では、先行研究で提案されてきた様々な燃焼温度と時間を検討した結果、リター葉の灰分はほぼ白色で炭化物の生成は見られなかったが、稈の灰分はリター葉に比べ茶色みがかり、不完全燃焼または何らかの含有成分が影響したものと考えられた。また、高温下ではわずかにるつぼへのシリカの固着が認められたため、燃焼温度がシリカの収率に影響を与えることが示唆された。 現地調査において地形に応じた土壌特性とタケ類の分布との関係性を明らかにするため、斜面上・中・下の3つの固定プロットにおいて、10 cm、30 cm、60 cmの深さに土壌水分ポテンシャルセンサーを設置し、防火措置を整えて観測を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルス感染症に関連するタイへの渡航規制が緩和され、現地調査が実現した。これにより、メクロン長期動態観測試験地における地形に応じた山火事頻度と強度について、詳細な聞き取りが可能となり、過去の観測に基づく基盤的データを取得することができた。 また、土壌水分ポテンシャルセンサーを設置するとともに、ケイ素分析のための稈齢や葉齢を考慮したタケの選定基準を決定するなど、タケの分布と山火事耐性機能の解明に向けた現地観測を開始することができた。以上のことから、本課題の目的達成に向けて着実に進捗していると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
タケ種の繁殖のタイミングと更新機構を解明するため、メクロン長期動態観測試験地を、地形に応じた山火事頻度によって、高頻度:尾根、中頻度:斜面中腹、低頻度:谷部とカテゴリー分けし、それぞれの場所で、タケ類4種の更新初期成長や山火事耐性形質およびその獲得機構、地形特有の土壌水分特性などを調べていく。また、山火事頻度カテゴリーに応じた、植物の焼失状況を調査・解析する。 山火事耐性機能の種間差と特徴形質およびその獲得機構を解明するため、日本国内のモウソウチクを用いて、タケのケイ酸集積と耐火形質との関係性を明らかにするためのケイ素分析手法を確立する。現地に設置した土壌水分ポテンシャルセンサーのデータを回収し、土壌水分ポテンシャルの季節変化と斜面ごとの特徴をとらえる。
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