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石油産生緑藻Botryococcus brauniiの脂質分泌機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K23697
補助金の研究課題番号 22H02432 (2022-2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2022-2023)
応募区分一般
審査区分 小区分40040:水圏生命科学関連
研究機関東京大学

研究代表者

岡田 茂  東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (00224014)

研究分担者 河村 耕史  大阪工業大学, 工学部, 准教授 (00595613)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2024年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 10,270千円 (直接経費: 7,900千円、間接経費: 2,370千円)
キーワードBotryococcus braunii / 炭化水素 / 分泌 / バイオ燃料 / 微細藻類 / トランスポーター
研究開始時の研究の概要

群体性微細緑藻Botryococcus brauniiは、乾燥藻体重量の数十%にも及ぶ大量の液状炭化水素を生産するため、石油代替燃料源として有望視されている。加えて本藻種は、生産した炭化水素および関連脂溶性化合物を細胞外に分泌するという、他藻類には見られないユニークな性質を有している。しかし、その分泌機構は未だ不明である。そこで本研究では、本藻種における炭化水素および脂溶性化合物の細胞外分泌機構を、分子レベルで明らかにする事を目的とする。得られた基礎科学的知見は、細胞内脂溶性有価物の細胞外への排出により、その連続回収が容易となる方法の構築への貢献が期待される。

研究実績の概要

群体性微細緑藻Botryococcus brauniiは脂肪酸系の脂質ではなく、乾燥藻体重量の数十%にも及ぶ大量の液状炭化水素やその関連化合物を生産し、細胞外に分泌するという、他藻類には見られない極めてユニークな性質を有しているため、バイオ燃料源としての利用が期待されている。細胞内で生産された炭化水素等は、細胞膜および細胞壁を透過して、個々の細胞間をつなぎ止めている細胞外マトリクスに蓄積されるが、その分泌機構は未だ不明である。そこで本研究では、本藻種における炭化水素および脂溶性化合物の細胞外分泌機構を、分子レベルで明らかにする事を目的とする。今年度はB. braunii Showa株から単離されたステロールトランスポーターと相同性を示すABCトランスポーター遺伝子を大腸菌で発現させ、その機能同定を試みた。しかしながら当該遺伝子を導入した大腸菌の生育が阻害されたことから、酵母での異種発現系に切り替えた。当該遺伝子をスクアレン高蓄積酵母株に導入し、培養液中に検出されるスクアレンの量を、当該遺伝子非導入酵母株と比較した。その結果、当該遺伝子を導入した酵母株において培養液中のスクアレン量が多い傾向が見られたが、対照区との統計的有意差は見られなかった。一方、本藻種における脂質分泌が、ABCトランスポーターを介していない可能性に備え、脂質分泌系に異常をきたしている変異藻株を取得するため、トリテルペン系炭化水素を生産するShowa株に対し重イオンビーム照射処理をを行った。その結果、培養中に常に沈下する群体を形成する変異体を取得できた。B. brauniiの群体は通常、分泌された炭化水素等により低比重となり、培地表層に浮上することから、得られた変異体では炭化水素生産能あるいは分泌能が低下している可能性がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ステロールトランスポーター様遺伝子のcDNAクローニングは順調に進んでいることから、研究計画はおおむね予定通りに進行していると考えられる。ただし、当該トランスポーター遺伝子の機能同定法につき、更なる検討が必要と考えられる。

今後の研究の推進方策

今年度ステロールトランスポーター様遺伝子を導入した酵母株はスクアレンを蓄積するが、実際にB. brauniiが分泌するのはbotryococcene類あるいはメチル化されたスクアレン類である。スクアレンとこれらの炭化水素間での微妙な構造の違いが、トランスポーターの分泌能に影響を与えている可能性がある。そこで来年度は、メチル化されたスクアレン、あるいはbotryoccocceneを蓄積する酵母株を作出し、これらに対し当該遺伝子を導入して機能同定を試みる予定である。また、複数のトランスポータータンパク質が、複合体を形成することで機能している可能性も考えられるため、複数の遺伝子を同時に酵母細胞内で発現させることも試みる。また、ABCトランスポーターの阻害剤を添加して培養した藻体、あるいは異なる増殖段階にある藻体における、当該トランスポーター遺伝子の発現解析を行うことで、本藻種における当該遺伝子の生物学的機能の推定を試みる。また、常時群体が沈下する変異株については、炭化水素組成、含量等を含めた諸性状の解析を行う予定である。

報告書

(2件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [国際共同研究] Texas A&M 大学(米国)

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [国際共同研究] Texas A&M大学(米国)

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] Structure elucidation of highly methylated triterpene hydrocarbons from the green microalga Botryococcus braunii2024

    • 著者名/発表者名
      M Anugrah Rizky Pambudi, Shigeru Okada, Koji Kawamura
    • 学会等名
      令和6年度日本水産学会春季大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] BoTIPseq: Transposon-insertion polymorphism sequencing technique for Botryococcus braunii2023

    • 著者名/発表者名
      Koji Kawamura, Naoya Komatsubara, Shigeru Okada
    • 学会等名
      International Conference on Algal Biomass, Biofuels and Bioproducts 2023
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] cDNA cloning of fatty acid photodecarboxylase (FAP) from the green microalga Botryococcus braunii race L2023

    • 著者名/発表者名
      Yaohui Huang, Shigeki Matsunaga, Shigeru Okada, Koji Kawamura
    • 学会等名
      令和5年度日本水産学会春季大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 微細緑藻Botryococcus braunii B品種のI型脂肪酸合成酵素様タンパク質のcDNAクローニング2023

    • 著者名/発表者名
      辻凌雅、Holger Jenke-Kodama、松永茂樹、岡田茂
    • 学会等名
      令和5年度日本水産学会春季大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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