研究課題/領域番号 |
23K23701
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補助金の研究課題番号 |
22H02436 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40040:水圏生命科学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
塩崎 一弘 鹿児島大学, 農水産獣医学域水産学系, 教授 (70390896)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2025年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 11,570千円 (直接経費: 8,900千円、間接経費: 2,670千円)
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キーワード | シアリダーゼ / カラシン目 / 核 / シアル酸 / Neu4 / 核局在 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らは、哺乳類には存在しない核局在の糖鎖分解酵素が魚類に存在することを初めて発見し、さらにそれがスズキ目とカラシン目にのみ認められることを明らかにした。この結果は、この2つのグループに特徴的な核複合糖質の脱シアリル化が関与する生理現象の存在を示唆している。核は細胞の根幹をなすDNAを保持する重要なオルガネラであり、核の構造や機能が魚種間で大きく異なることは非常に興味深い。 本研究では、スズキ目とカラシン目が核シアロ複合糖質糖鎖リモデリングを獲得した生物学的意義を明らかにするため、核局在シアリダーゼの生理機能を解明することを目的とする。
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研究実績の概要 |
当該年度では、核局在型シアリダーゼNeu4の核局在メカニズムの解明を中心に行った。カラシン目魚類であるメキシカンテトラからNeu4遺伝子をクローニングし、培養細胞において発現させた。その主な局在は核に認められたが、核移行シグナル(NLS)を欠損したNeu4変異体においてはその核局在が完全に消失した。また、インポーチンβ阻害剤処理でもNeu4の核局在が有意に低下したことから、Neu4/インポーチンの相互作用が核局在を制御していることが確認された。 しかしその一方で、他の魚類Neu4にもNLSを有するものが存在する。これらNeu4は核に局在を示さないことから、核局在にはNLS以外の因子の関与が予想される。そこでAlphafold2による立体構造予想を行い、魚種間でNeu4を比較したところ、NLS以外に1か所、構造類似性が低い箇所(Less conserved region, LCR)があることがわかった。この変異体を欠損させたメキシカンテトラNeu4は核局在の割合が低下し、同じく核局在を示すスズキ目Neu4においてもLCR欠損により同様の傾向が得られた。 しかしこのLCRそのものは核局在を示さない魚類Neu4にも存在する。そこでLCRのアミノ酸配列を比較したところ、カラシン目やスズキ目Neu4のLCRにはSer/Thrが豊富な領域がある事が見いだされ、他の魚類Neu4では認められなかった。そこでこのSer/Thrを他のアミノ酸に置換したところ、Neu4の核局在が有意に低下した。さらにこのSer/Thrを欠損した変異体も同様の細胞内局在を示した。これらの結果から、スズキ目およびカラシン目のNeu4のみが核局在を示す理由として、LCRに含まれる連続的なSer/Thrが重要であることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Neu4の細胞内局在変化のメカニズム解析については、予定通り順調に終えることができたが、メキシカンテトラのNeu4ノックアウトの作出が遅れている。その理由として、メキシカンテトラは産卵させるのが非常に難しく、またマイクロインジェクションの技術も確立されていない。そこで代替案として、メキシカンテトラの初代培養細胞を鰭より樹立し、Neu4遺伝子のKOを試みたが、もともと鰭におけるNeu4の発現は高くなく、遺伝子導入についても低い導入効率のままである。この点については、引き続き条件検討を行い対応していく。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度も引き続き申請書に基づいて研究を進めて行く。当初はメキシカンテトラを用いたNeu4欠損変異体の作出を予定していたが、令和4年度の進捗を踏まえ、同じくNeu4が核局在を示すスズキ目魚類における変異体作出も同時に行うこととする。魚種としてはナイルティラピアを予定しており、本研究室では純系統を維持していること、また過去にナイルティラピアを用いた研究実績もある。また今年度は、Neu4の核内ターゲット分子の同定を主たる目的として進めて行く予定である。これまでの結果から核内ガングリオシドが1つのターゲット分子であることは間違いないが、おそらくいくつかの糖タンパク質もターゲットとなっていると予想される。プロテオーム解析などを用いて、脱シアリル化される核タンパク質の同定を試みる。
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