研究課題/領域番号 |
23K23704
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補助金の研究課題番号 |
22H02439 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40040:水圏生命科学関連
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研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
大平 剛 神奈川大学, 理学部, 教授 (10361809)
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研究分担者 |
片山 秀和 帝京大学, 理工学部, 教授 (30580857)
筒井 直昭 三重大学, 生物資源学研究科, 教授 (00643785)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
14,170千円 (直接経費: 10,900千円、間接経費: 3,270千円)
2024年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | クルマエビ / 人為催熟 / 成熟誘導ホルモン剤 / 成熟誘導 / ホルモン剤 |
研究開始時の研究の概要 |
赤色色素凝集ホルモン(RPCH)は新規の成熟抑制因子と考えられている。本研究では、クルマエビの成熟を誘導するRPCHアンタゴニストの開発を行う。活性に重要なアミノ酸の一部を非天然アミノ酸や修飾アミノ酸に置換し、ペプチドの末端を保護したRPCHアンタゴニストを合成し、投与実験により成熟促進活性を調べる。最終的には、RPCHアンタゴニストを餌に混ぜて経口投与し、クルマエビを人為催熟させる。
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研究実績の概要 |
1.クルマエビ赤色色素凝集ホルモン(RPCH)アンタゴニストの設計と化学合成・・・RPCHは生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)スーパーファミリーに属する分子である。ヒトGnRHではGnRHアンタゴニストが既に化学合成され、医薬品として利用されている。そこで、本研究ではヒトGnRHアンタゴニストの構造を参考にして、クルマエビRPCHアンタゴニストを22種類ほど設計し、化学合成した。
2.クルマエビRPCHアンタゴニストの活性測定・・・1で化学合成したRPCHアンタゴニストをホッコクアカエビに投与し、その15分後にRPCHを投与した。RPCHにはホッコクアカエビの体色を白色化させる活性があるが、RPCHアンタゴニスト活性を有する分子を投与すると体色は赤色のままとなる。この活性を指標にして、RPCH活性を最も抑えるRPCHアンタゴニストを選別した。その結果、RPCHの1残基目のL-ピログルタミン酸(pQ)の環構造を2-ピロリドンから2-イミダゾリジノン(Imi)に、2残基目のL-ロイシン(L)をD-ロイシン(dL)に、3残基目のL-アスパラギン(N)をD-フェニルアラニン(dF)に、5残基目のL-セリン(S)をD-フェニルアラニン(dF)に置換したpQ1Imi/L2dL/N3dF/S5dFと名付けた分子に最も強いRPCHアンタゴニスト活性が観察された。
2022年度は、RPCHアンタゴニストの活性を簡便に測定するために「ホッコクアカエビの投与実験」を採用した。これにより、短期間のうちに、強い活性を有するクルマエビRPCHアンタゴニストを選別することができた。次年度は、このRPCHアンタゴニストをクルマエビに投与し、成熟誘導実験を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画では、これまでにデータベースに登録されている他種生物(脊椎動物8種類、無脊椎動物22種類)の生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)を全て化学合成する予定であった。しかし、後述するように、それらGnRHの活性測定に時間がかかることが判明したため、ヒトGnRHアンタゴニストの構造を参考にして、クルマエビ赤色色素凝集ホルモン(RPCH)アンタゴニストを22種類ほど化学合成した。 当初、クルマエビRPCHアンタゴニストの活性測定は、クルマエビRPCH受容体を一過的に発現させた哺乳類培養細胞を用いて行う予定であった。具体的には、クルマエビRPCHアンタゴニストとクルマエビRPCHを上述した哺乳類培養細胞に添加し、ルマエビRPCHアンタゴニストの半数阻害濃度:IC50(RPCHの受容体への結合を50%阻害する濃度)を調べることを予定していた。しかし、哺乳類培養細胞を用いた生物検定は手間がかかるため、化学合成した22種類全てのクルマエビRPCHアンタゴニストの活性測定することができなかった。そこで、2022年度は、哺乳類培養細胞を用いた生物検定よりも簡便な、ホッコクアカエビの投与実験を採用することで、22種類のクルマエビRPCHアンタゴニストの活性測定を行うことができた。
一部の計画および方法を変更したが、上記の通り2022年度は概ね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
1.赤色色素凝集ホルモン(RPCH)アンタゴニストのクルマエビへの投与実験・・・クルマエビのゲノム情報から、成熟の指標となる遺伝子群を選別する。そして、最も活性が強かったRPCHアンタゴニストを未成熟なクルマエビに注射する。注射2週間後に体長、体重、卵巣重量を測定する。また、摘出した卵巣は組織切片を作製し、ヘマトキシリン・エオシン染色により組織像を観察するとともに、指標遺伝子群の発現を測定することで、RPCHアンタゴニストの投与により成熟が促進されたかどうかを評価する。
2.RNA干渉によるRPCHの遺伝子ノックダウン・・・上記1の実験でクルマエビの成熟が促進されない可能性も考えられることから、RPCHの遺伝子ノックダウン実験も並行して取り組む。クルマエビRPCHと緑色蛍光タンパク質(GFP)の二本鎖RNA(dsRNA)を合成する。そして、未成熟なクルマエビの雌にRPCH dsRNAを投与し、ネガティブコントロール群にはGFP dsRNAを投与する。dsRNAを投与してから2週間後に、上記1と同様の観察を行うことで、RPCHの遺伝子ノックダウンにより成熟が促進されたかどうかを評価する。
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