研究課題/領域番号 |
23K23734
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補助金の研究課題番号 |
22H02469 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41040:農業環境工学および農業情報工学関連
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研究機関 | 木更津工業高等専門学校 |
研究代表者 |
栗本 育三郎 木更津工業高等専門学校, 情報工学科, 特命教授 (00195562)
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研究分担者 |
白木 厚司 千葉大学, 情報戦略機構, 准教授 (10516462)
佐久間 東陽 木更津工業高等専門学校, 環境都市工学科, 助教 (10909451)
嘉数 祐子 (大野祐子) 木更津工業高等専門学校, 基礎学系, 准教授 (30455117)
丸山 真佐夫 木更津工業高等専門学校, 情報工学科, 教授 (50270228)
岩田 大志 奈良工業高等専門学校, 情報工学科, 准教授 (50613139)
伊藤 裕一 木更津工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (60396900)
伊藤 正英 愛知県立大学, 情報科学部, 准教授 (60459237)
浅野 洋介 木更津工業高等専門学校, 電気電子工学科, 准教授 (70390416)
SAPKOTA ACHYUT 木更津工業高等専門学校, 情報工学科, 教授 (70724706)
矢守 航 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (90638363)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2022年度: 10,790千円 (直接経費: 8,300千円、間接経費: 2,490千円)
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キーワード | XR(リアル/バーチャル) / 太陽光型植物工場 / 空間環境計測 / 空間環境シミュレータ / 環境応答植物生理 / 太陽光型植物工場シミュレータ / 水蒸気飽差計測制御IoT / 生育モデル化 / XRシステム / VPD制御シミュレータ / 遠隔プログラミング / XR / センサーネットワーク / 蒸散速度 / 光合成速度 / VPD計測制御 / トマト |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,太陽光型植物工場において,環境計測制御をシミュレートでき,水蒸気飽差(Vapor Pressure Deficit 以下VPDと略す)をパラメータとした植物生理,環境応答の機序をモデル化し,環境生育情報,予測情報を提示し,植物工場の高度化を実現するXR(リアル/バーチャル)太陽光型植物工場システムの開発を実施する.これらによって,収量品質の向上,計測制御システムの改善,植物体の形状情報や計測制御情報の可視化,予測制御,植物生理や環境応答の解明,学習への応用が期待できる.
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研究実績の概要 |
太陽光型植物工場において,申請者らは,光合成に寄与するパラメータとして水蒸気飽差(VPD)に着目し,細霧によって水蒸気飽差を制御するシステムの研究開発と実証を行なってきた.その結果,開発されたシステムは,トマト栽培において夏季・冬季ともに収量を10~20%増加させること,VPD が時系列振動する問題を軽減させることに成功した.しかしながら,VPD 制御下の植物体の生理,環境応答が明らかになっておらず,また,栽培者や研究開発者がデータベース情報を活用できていない問題がある.さらに,環境に適合する制御則を開発するには膨大な実験が必要であった.そこで,本年度は,(1)過去の太陽光型植物工場の環境・生育データの数理モデル化を実施した.(2)人工光型栽培環境を整え,光量子一定下で,植物体の重量測定IoTシステムを構築し,蒸散速度と光合成速度推定に道を開いた.(3)高速並列計算機(無制限コア)を用いて,VPD制御をシミュレーションできるシステムを構築した.また,(4)太陽光型植物工場施設(10アール規模)に設置してあるVPD 制御器を遠隔プログラム書き換え可能かつプログラムの初心者でも制御則を実行できる環境を整えた(学会で発表した「時変むだ時間要素を含む太陽光型植物工場システムに対するIntelligent PID 制御による水蒸気飽差制御」が優秀講演賞に輝いた.)さらに,(5)新設された太陽光型植物工場において,センサーネットワークを構築し,データの可視化を行った.生産者,研究開発者,学習者に,リアルタイムに環境生育情報を提示できる基本システムの構築を実現した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画以上に進展している理由について,以下の項目が挙げられる.(1)過去の太陽光型植物工場の環境・生育データの数理モデル化を実施できたこと.(2)人工光型栽培環境を整え,光量子一定下で,植物体の重量測定IoTシステムを構築し,蒸散速度と光合成速度推定に道を開けたこと.(3)高速並列計算機(無制限コア)を用いて,VPD制御をシミュレーションできるシステムを構築できたこと.また,(4)太陽光型植物工場施設(10アール規模)に設置してあるVPD 制御器を遠隔プログラム書き換え可能かつプログラムの初心者でも制御則を実行できる環境を整備できたこと(学会で発表した「時変むだ時間要素を含む太陽光型植物工場システムに対するIntelligent PID 制御による水蒸気飽差制御」が優秀講演賞に輝いた.).さらに,(5)新設された太陽光型植物工場において,センサーネットワークを構築し,データの可視化を行なえ,生産者,研究開発者,学習者に,リアルタイムに環境生育情報を提示できる基本システムの構築を実現できたこと.
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今後の研究の推進方策 |
栽培環境として,高輝度LED,固形培地を用いた養液栽培設備(現有設備)で,VPD を安定に保持できるようにし,申請者らが既に開発している固形培地の保有水分量と植物体の重量計測システム(現有設備)を用いて,トマト等を栽培する.固形培地の保有水分量から,蒸散速度を推定し,植物体の重量で生長速度,植物体周辺のH2O/CO2 濃度分布をサーバにアップロードし可視化する.植物体の葉面積等の生長の時系列変化をスキャン型多視点カメラで撮影し,群落のコンダクタンスを導出する.また,顕微鏡カメラにて,気孔開度を測定できるIoTを開発する.申請者らが開発した時間相関イメージセンサとリングビュー光学系を用いて,トマト果実の可視光・近赤外2波長による法線ベクトルから正確な時系列反射率分布解析を実施する.令和4年度に構築した太陽光型植物工場シミュレータに,環境空間モデル,VPD制御則,太陽の天体運行モデルを入れた太陽光型植物工場シミュレータを構築する.提案する環境適応型VPD制御則を当該シミュレータに実装し,有効性を検証する.また,提案したVPD制御則を既に開発している太陽光型植物工場のVPD制御IoTシステム(現有設備と新規設備)へ導入し,生育収量・品質データ,環境空間データを計測し評価する.さらに, 複合現実感技術を導入し,データの可視化を行い,前年度構築したXR(リアル/バーチャル)太陽光型植物工場シミュレータのユーザインターフェースを充実させ,クラウド上で利用できるシステムの開発を実施する.
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