研究課題/領域番号 |
23K23741
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補助金の研究課題番号 |
22H02476 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41050:環境農学関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
片岡 良太 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (00635104)
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研究分担者 |
伊藤 虹児 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境研究部門, 研究員 (70828863)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2024年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2022年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
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キーワード | 植物内生細菌 / ネオニコチノイド系殺虫剤 / 浸透移行性農薬 / 農薬分解菌 / バイオレメディエーション / ニテンピラム / Bacillus属菌 / 植物浸透移行性農薬 / 内生細菌 / マイクロバイオーム / 植物内生微生物 / 微生物分解 |
研究開始時の研究の概要 |
本申請研究では、植物-微生物複合系が関与するネオニコチノイド系殺虫剤の植物内代謝に着目し、『植物内生微生物を用いたネオニコチノイド系殺虫剤の作物残留制御は可能か?』という学術的問いを設定して研究を実施する。植物体内における農薬分解微生物の生息場所とその環境、および農薬分解微生物が宿主植物に与える影響の分子・生理メカニズム、更にはその相互作用を明らかにすること、また農薬の作物残留制御が最大になる微生物環境と非生物的条件を解明することで、植物体内中における農薬効果を持続させ、尚且つ、農薬の後作物残留リスクを低減するための新しい技術と知見を提案することを目的としている。
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研究実績の概要 |
これまでの研究から、ジノテフラン、イミダクロプリド、ニテンピラムを分解できる植物内生細菌株を分離して特定した。分解細菌を探索するために、さまざまなネオニコチノイド系殺虫剤を曝露したコマツナから約300株の内生細菌株を分離した。それらを分解試験に供し、植物内生細菌株NIT-2が、ポテトデキストロースブロス(PDB)培地中で14日間インキュベートした後、ニテンピラムを約65%分解することを明らかにした。この菌株は、16S rRNA シーケンスにより最も相同性が近い細菌種は Bacillus thuringiensisであった。その後の経時的な分解試験では、PDB 培地で 28 日間インキュベートしたところ、ニテンピラムが98.18%分解された。また、細菌の増殖 (OD600nm) に連動して分解速度も速まった。一方、無機塩(MS)培地での分解試験でも、NIT-2株が分解プロセス中に唯一のCまたはN源としてニテンピラムを使用することが確認された。加えて、CPMA、CPMF、CPFがニテンピラムの分解過程で代謝物として同定された。さらに、代謝産物の分解を検討したところ、CPMFを71% 、CPFを18%分解することが確認された。NIT-2 株はニテンピラムとその代謝産物の両方を分解できるため、Bacillus thuringiensis NIT-2 株はニテンピラムで汚染された環境のバイオレメディエーションへの活用が期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
設定した3課題について、課題①では、ジノテフランやイミダクロプリド、ニテンピラムを分解する植物内生細菌を発見した。課題②では、ネオニコチノイド系農薬が植物内生微生物相に影響していることを次世代シークエンス解析や培養法を通して明らかにした。しかし、植物代謝に与える影響については今後実施する予定である。課題③では、どのような微生物環境と非生物的条件がそろうと、植物-微生物共生系のネオニコチノイド系農薬制御が最大になるのか?という課題に対してポット試験を通して検討を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度、内生細菌や植物浸透性農薬が植物代謝に与える影響を調査し、『植物内生微生物を用いたネオニコチノイド系農薬の作物残留制御は可能か?』という学術的問いに対する何等かの解答を得たいと考えている。そして、ネオニコチノイド系農薬の作物残留制御を可能にし、農薬の後作物残留リスクを低減するための新しい技術と知見を提案したい。
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