研究課題/領域番号 |
23K23747
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補助金の研究課題番号 |
22H02482 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41050:環境農学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター |
研究代表者 |
南川 和則 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 生産環境・畜産領域, 主任研究員 (60601151)
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研究分担者 |
中島 泰弘 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 高度分析研究センター, 上級研究員 (10354086)
山本 昭範 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (20733083)
西村 誠一 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境研究部門, 上級研究員 (70354090)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 10,530千円 (直接経費: 8,100千円、間接経費: 2,430千円)
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キーワード | 水田 / 一酸化二窒素 / 気候変動緩和策 / 安定同位体比 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、N2Oが水田のどこでどの代謝過程から作られ、そのN2Oはどの経路を通じて大気中に排出され、そしてどうすれば各経路からの排出を削減できるのかを明らかにする。5つの課題を、4人の研究者の役割分担によって、令和4~7年度の4年間に段階的に実施する。事前に予備実験を行い、実験条件や要因を決定することで、各課題を円滑に遂行する。
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研究実績の概要 |
N2O田面水拡散排出の制御要因と浅層土壌でのN2O動態を解明するために、尿素追肥時のみ異なる田面水位に設定したイネ群落栽培において、N2Oフラックス、田面水の溶存N2O濃度、及び溶存N2O濃度の1mm単位での土壌鉛直プロファイルの測定を実施した。追肥時に落水管理を行った区では、深水管理(田面水の深さ5cm以上)や浅水管理(深さ2~3cm)に比べて、N2Oフラックスが高くなった。土壌深さ3cmまでの鉛直プロファイル測定は、深水管理及び浅水管理の区でのみ尿素追肥後に実施し、深水管理において溶存N2O濃度が高まる傾向が確認された。 湛水土壌でのDNRAとDNRA由来のNH4動態を検証するために培養実験を行った。培養ビンに土壌を入れて湛水し、稲わら添加の有無によって還元条件を変え、14NH415NO3を添加した。その結果、稲わら添加の有無で無機態窒素の含有量や変化パターンが異なり、稲わら添加によってNO3含有量が稲わら無しに比べて低く、また、14NH415NO3添加後すぐに低下する時間変化を示した。 水田における中干し等の落水に伴うN2O排出のメカニズムを、特に土壌中の酸素濃度との関係に着目して解明するために、非湛水・O2濃度制御下での土壌培養・通気法によるN2O(およびNO)フラックス連続測定を行った。尿素施用区では、酸素濃度をゼロ→大気レベル(約21%)に切り替えて数日後から有意なN2O排出が始まり徐々に増加したが、尿素無施用区では同期間にN2Oの有意な排出は観測されなかった。NOフラックスについては、いずれの区においても有意な排出は観測されなかった。この試験結果は、肥料等に由来するアンモニア態窒素が土壌に残存している状態で落水を行うとN2O排出を引き起こす可能性があることを、示唆している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構・高度分析研究センターにおいて所有している安定同位体比質量分析計が長期間にわたり修理点検中のため、全課題におけるN2Oアイソトポマー分析が未実施である。そのため、N2Oアイソトポマーの結果を見ずに、翌年度の研究内容を決定せざるを得ない状況であり、発展的な内容ではなく、前年度のその他の成果から判断できる有用な内容を実施している。
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今後の研究の推進方策 |
N2Oアイソトポマー分析用のガス試料の採取は継続するものの、それ以外の測定方法や分析方法を用いて実施できる研究内容に焦点を当てて、計画を遂行する。
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