研究課題/領域番号 |
23K23750
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補助金の研究課題番号 |
22H02485 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41050:環境農学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
常田 岳志 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境研究部門, 上級研究員 (20585856)
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研究分担者 |
酒井 順子 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境研究部門, 上級研究員 (10354052)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2023年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2022年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
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キーワード | メタン / 土壌 / 水田 / 直接電子伝達 / 安定同位体 / 同位体比 / イネ / 微生物 |
研究開始時の研究の概要 |
水田はコメを生産する人類最大の食糧基地である一方、土壌中の微生物の働きにより強力な温室効果ガスである「メタン」が多量に生成されています。メタンは「土壌中の酸化鉄が還元された状態で生成される」というのがこれまでの常識でしたが、最近、電導性の鉄酸化物を電子が流れることでメタン生成が促進されるという新たな現象(DIETと呼ばれる)の存在が明らかにされました。この研究では独自に考案した炭素と水素の二重安定同位体標識実験とメタゲノム解析等の最新の分子生物学的手法を駆使し、DIETによるメタン生成を世界に先がけて定量し、DIETを司る主要微生物群を明らかにすることを目的とします。
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研究実績の概要 |
水田はコメを生産する人類最大の食糧基地である一方、土壌中の微生物の働きにより強力な温室効果ガスである「メタン」が多量に生成されている。ただし土壌タイプ等によってメタン排出量は大きく異なり、そのメカニズムは十分解明されていない。比較的最近、鉄還元菌の代謝で生成された電子が、電導性の鉄酸化物を経由して直接メタン生成菌に受け渡されるDIET(Direct Interspecies Electron Transfer)と呼ばれる現象の存在が明らかにされ、その現象がメタン排出量の多寡に関与する可能性が示唆されている。 本年度はDIETの定量実験系の構築に向けて、2022年の解析で用いたものと同じ水田の土壌を嫌気培養し、培養時間とガス発生量および鉄還元量の関係を明らかにした。DIETの指標となり得る微生物機能遺伝子を見出すため、本培養試験の培養前後の土壌よりRNAを抽出し、網羅的シークエンスデータを取得した。 安定同位体を用いたDIET直接定量法については、メタンの安定同位体比分析に必要な-130℃~-150℃に調整可能なコールドトラップの構築を進めた。今後、このクライオフォーカス部を完成させ、別途入手したメタンの熱分解炉を含む前処理装置と組み合わせることで、メタンの炭素および水素安定同位体比がともに分析できるようになる見込みである。 一方、水田からのメタン排出量の変動に関する研究に関して、メタンの排出経路や温度依存性との関連を調査し、メタン排出量には大きな日変動および季節変動があること、その主な原因はバブリング経路の排出の増減によって生じることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響等で、同位体比測定に必要な熱分解炉を備えた前処理装置の入手が予定より遅れたこと、並びに、メタンの同位体比測定に必須となる特殊なクライオフォーカス部分を自作する必要が生じたため、DIET直接定量手法の部分にやや遅れがみられる。
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今後の研究の推進方策 |
微生物面の解析ではメタン多排出土壌から微生物のメタトランスクリプトームデータを得ており、今後、メタン多排出の指標となる機能遺伝子候補を見出し、DIETとの関係を調査する。DIETの定量手法構築にあたっては、メタンの安定同位体比分析に必要なコールドトラップ等を自作する必要が生じたため、その構築を加速する。
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