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乳牛由来の肉用子牛の健康に寄与する母子異品種の胎盤機能の違いと栄養移行の機序解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K23754
補助金の研究課題番号 22H02489 (2022-2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2022-2023)
応募区分一般
審査区分 小区分42010:動物生産科学関連
研究機関帯広畜産大学

研究代表者

国友 千帆  帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (20374770)

研究分担者 松井 基純  帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (20374762)
河合 正人  北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 准教授 (30301972)
手塚 雅文  帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (40311526)
草場 信之  帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (40865408)
佐々木 基樹  帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (50332482)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2026年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2025年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
キーワード牛 / 分娩 / 臍帯血 / 胎盤 / ホルスタイン種 / 黒毛和種 / 日本短角種 / 臍帯 / 栄養移行
研究開始時の研究の概要

乳用牛による肉用子牛生産の依存度が高まる一方で、乳用牛から生まれる肉用子牛は肉用牛に比べて弱いことが問題視されている。
この要因として、両品種間における母牛の飼育管理方法の違いに加えて、胎子へのグルコース供給に関わる代謝の違いや、乳用牛に肉用牛を妊娠させた場合の胎子へのアミノ酸供給の阻害、乳用母牛の根本的なアミノ酸不足が影響している可能性が挙げられ、これらには胎盤機能の違いが関与していると考えられる。
本研究では、母子品種の相違で胎盤機能が異なるのか、分娩時の母牛・臍帯(臍静脈・臍動脈)・子牛の血液性状や胎盤機能の解析から解明し、乳用牛由来の肉用子牛の健全性向上につなげる。

研究実績の概要

前年度に引き続き、実験Ⅰ.母子同品種・異品種における栄養移行の相違の解明、実験Ⅱ.母子同品種・異品種における胎盤の形態的および機能的特徴の解明の①排出胎盤の形態的評価および③胎盤由来ホルモンの血中濃度動態の比較を実施した。
実験Ⅰ.母子同品種・異品種における栄養移行の相違の解明では、母:ホルスタイン種(以下、ホル)・子:ホル16組、母:ホル・子:黒毛和種(黒毛)との交雑種3組、母:ホル・子:黒毛受精卵4組、母:黒毛・子:黒毛6組、母:日本短角種(短角)・子:短角4組、母:短角・子:黒毛との交雑種1組の分娩予定2~3週前と分娩直後の母牛・臍静脈および臍動脈・出生直後の子牛の血液を採取し、生化学成分ならびにアミノ酸を分析した。日本短角種に関してはまだ例数が少ないため、次年度も継続してサンプリングと血液分析を行うが、それ以外の品種における母子間の栄養移行に関して解析し、ホルスタイン種と黒毛和種との交雑種を妊娠した際にグルコース移行が少なくなることを明らかにした(第131回日本畜産学会で発表)。
実験Ⅱ.母子同品種・異品種における胎盤の形態的および機能的特徴の解明の①排出胎盤の形態的評価では、母:ホル・子:ホル14個、母:ホル・子:黒毛との交雑種2個、母:ホル・子:黒毛受精卵3個、母:黒毛・子:黒毛5個、母:短角・子:短角5個、母:短角・子:黒毛との交雑種1個の胎盤を採取し形態を解析した。日本短角種に関してはまだ例数が少ないため、次年度も継続してサンプリングを行う。また前年度確立した排出胎盤の血管密度および微絨毛の表面密度の評価をもとに、様々な母子品種の胎盤の解析に着手し始めた。
実験Ⅱ.母子同品種・異品種における胎盤の形態的および機能的特徴の解明の③胎盤由来ホルモンの血中濃度動態では、様々な母子品種の組み合わせで計11頭のサンプリングを終え、ホルモン測定も実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

R5年度に予定していた実験Ⅰ.母子同品種・異品種における栄養移行の相違の解明、実験Ⅱ.母子同品種・異品種における胎盤の形態的および機能的特徴の解明の①排出胎盤の形態的評価および③胎盤由来ホルモンの血中濃度動態の比較に関して、試験農場である帯広畜産大学畜産フィールド科学センターならびに北海道大学静内研究牧場で分娩した牛に対し、難産や死産等の問題のある分娩を除き、予定通りサンプリングを実施した。また、同時に採取した血液や胎盤の解析も終えており、母子同品種のホルスタイン種と黒毛和種および母牛がホルスタイン種で子が黒毛和種または交雑種の血液性状の比較に関しては第131回日本畜産学会で報告済みである。
また、R6年度以降に開始するⅡ.母子同品種・異品種における胎盤の形態的および機能的特徴の解明の②接着状態の母子胎盤の機能解析において、接着胎盤を採取するBiopsyを選定した。
さらに必要な例数を確保できた母子ともにホルスタイン種のサンプルを解析し、妊娠初期の乳量の違いによる分娩時の母牛・臍静脈・子牛の血液および胎盤の形態学的特徴の比較について、The Journal of Reproduction and Developmentで公表した(doi: 10.1262/jrd.2023-004.)。
以上より、R5年度の計画していた実験は順調であり、R6年度以降の実験の準備も進んでいるといえる。

今後の研究の推進方策

北海道大学静内研究牧場の日本短角種の分娩数は少ないため、長期的なサンプリングは必須であり、今年度も血液と排出胎盤のサンプリングを行う。また、帯広畜産大学畜産フィールド科学センターの牛に対しては、胎盤の機能的特徴を比較するためのサンプリングにシフトし、母子接着胎盤ならびに排出胎盤を採取する。
帯広畜産大学畜産フィールド科学センターのホルスタイン種および黒毛和種の血液サンプルと形態学的特徴を比較するための排出胎盤は解析に必要な例数が揃ったため、現在、2編の論文を投稿中である。
さらにR6年度はⅡ.母子同品種・異品種における胎盤の形態的および機能的特徴の解明の③胎盤由来ホルモンの血中濃度動態に関するデータ解析を実施する。

報告書

(2件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Differences in daily milk production during early pregnancy alter placental characteristics and neonatal metabolic amino acid levels in dairy cows2023

    • 著者名/発表者名
      MASHIMO Riku、ITO Sayaka、KAWASHIMA Chiho
    • 雑誌名

      Journal of Reproduction and Development

      巻: 69 号: 5 ページ: 254-260

    • DOI

      10.1262/jrd.2023-004

    • ISSN
      0916-8818, 1348-4400
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] ホルスタイン種への黒毛和種授精または受精卵移植における分娩時の母牛・子牛・臍帯の血液性状および胎盤形態の特徴2023

    • 著者名/発表者名
      真下陸・熊嵜柚香・片桐有乃・草場信之・川島千帆
    • 学会等名
      第131回日本畜産学会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 母子同品種または異品種の乳用牛および肉用牛における胎盤の形態的特徴の比較2022

    • 著者名/発表者名
      真下陸・河合正人・川島千帆
    • 学会等名
      第130回日本畜産学会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] Differences in blood parameters at calving and placental morphology between Holstein and Japanese Black dams with similar or different fetuses2022

    • 著者名/発表者名
      Riku Mashimo, Nobuyuki Kusaba and Chiho Kawashima
    • 学会等名
      19th International Congress on Animal Reproduction
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 国際学会

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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