研究課題/領域番号 |
23K23764
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補助金の研究課題番号 |
22H02499 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42010:動物生産科学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
音井 威重 徳島大学, バイオイノベーション研究所, 教授 (30311814)
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研究分担者 |
平田 真樹 徳島大学, バイオイノベーション研究所, 准教授 (10815583)
西垣 一男 山口大学, 共同獣医学部, 教授 (20401333)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2024年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2023年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2022年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
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キーワード | ゲノム編集 / ブタ / トランスフェクション / 遺伝子改変動物 / PRRS |
研究開始時の研究の概要 |
従来の高額装置を用いず、溶液に暴露するだけでCRISPR/Cas9系を受精卵に導入できる簡便なゲノム操作法を開発する。豚繁殖・呼吸障害症候群(PRRS)感染に関与するCD163遺伝子等をターゲットとして、導入原理の異なるトランスフェクション試薬を検討し、最適の試薬のみでゲノム編集した受精卵を受卵雌に移植することでPRRSウイルス感染抵抗性豚を作出する。本ゲノム操作法により、機器の整わない発展途上国でも抗病性動物の作製が可能となる。
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研究実績の概要 |
従来の装置を用いず、溶液に暴露するだけでCRISPR/Cas9系を受精卵に導入できる簡便なゲノム操作法について、暴露溶液に用いる導入原理の異なるトランスフェクション試薬を検討し、選択した試薬に応じた高効率なゲノム編集技術の確立を目指した。本年度は、ブタ接合子において、CD163のモデルとして変異効率の高いGGTA1と感染実験動物の小型を目指すためGHRを標的とするガイドRNA(gRNA)を用いてリポフェクションを介した2遺伝子ゲノム編集が可能であるか調べた。 最初にLP2000をリポフェクション試薬として用い、接合子におけるGHRおよびGGTA1を標的とするgRNA単独の変異効率を評価した。次に、GHRとGGTA1を対象に同時に二重編集した接合体の4穴培養皿と25穴培養皿を用いて培養した発生率と変異効率について比較し、変異効率に及ぼす培養方法の影響を調べた。最後に、GHRおよびGGTA1を対象に同時に二重編集した前後に、追加処置としてGHRをターゲットとしたリポフェクションによる編集効率を評価した。 それぞれ個々のgRNAを用いてゲノム編集した接合体の発生率および変異率は、両者間で有意な差は認められなかった。さらに、25穴培養皿での培養は、4穴培養皿での培養と比較して、二重編集接合体由来の胚盤胞形成率を有意に増加させた。しかし、2つのgRNAで接合体を同時にトランスフェクトした場合には、培養方法にかかわらず、GGTA1標的遺伝子のみの変異が観察されたが、GHR変異は認められなかった。さらに、二重編集前に追加処置でGHRをターゲットとしたリポフェクションを行った場合にのみ、発生した胚盤胞にGHR変異が検出された。この結果は、二重媒介同時リポフェクションの前にさらにリポフェクション処置を行うことで、接合子にさらなる目的とする変異を誘発できる可能性を示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題の当初計画のうえに、トランスフェクション試薬としてLP2000を用い2重同時編集を検討しており、胚の発生率および変異効率を指標に最適の試薬、試薬の組み合わせ、導入時期が判明しており、概ね順調と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度に引き続き「トランスフェクション時期および試薬の検討」を行う。実際には、3種類のリポフェクション試薬を用いて、透明体フリー胚の培養方法と試薬の組み合わせがCRISPR/Cas9遺伝子編集システムに与える影響を検討する。また、その導入方法についてCD163遺伝子をターゲットに明らかにする。さらに、最終目的であるCD163遺伝子をターゲットにゲノム編集した胚盤胞期胚を受胚雌ブタに移植し、CD163遺伝子欠損ブタの作出を目指す。
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