研究課題/領域番号 |
23K23770
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補助金の研究課題番号 |
22H02505 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中尾 亮 北海道大学, 獣医学研究院, 准教授 (50633955)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2024年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2022年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
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キーワード | コア共生微生物 / 共生 / 人獣共通感染症 / マイクロビオーム / マダニ / 吸血源動物 / 共生微生物 / ヤマトマダニ / Coxiella / MIG-seq / GRAS-Di / Mycobacterium / Spiroplasma |
研究開始時の研究の概要 |
マダニは様々な病原体を保有し、人や動物を吸血する際にそれらを伝播することで感染症を引き起こす。マダニの体内には、病原体以外にも様々な微生物が存在しており、多くのマダニ種が共通に保有しているコア共生微生物がいることが知られつつある。しかしながら、コア共生微生物がマダニやマダニが媒介する病原体にとってどのような役割があるかはほとんど分かっていない。本研究では、コア共生微生物の役割を、特に病原体伝播との関わりの観点から解析し、マダニによって媒介される感染症の新たな制御法開発につながる基礎知見を得ることを目的とする。
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研究実績の概要 |
マダニの吸血源動物の推定法として、脊椎動物の複数のハウスキーピング遺伝子を増幅し、その増幅産物をMiSeqにより解読するマルチプレックスDNAバーコーディング解析法を開発した。北海道の野外環境から採集したヤマトマダニの成虫を用いて試験したところ、タヌキ、キツネ、アライグマ、イヌ、鳥類などの配列が検出された。供試したマダニのうち、約10%の個体からのみ遺伝子増幅が見られた。マダニの吸血源動物推定研究の過去の報告よりは高い検出率を示したものの、マダニの吸血源動物相の全体像を把握するためには、さらに手法を改良することが必要であると考えられた。 国内のマダニ種において、極めて近縁な2種のチマダニ(Haemaphysalis)属マダニ(オオトゲチマダニ、ヤマトチマダニ)について、その微生物叢・ミトゲノム配列を比較した。その結果、両種においてCoxiella様共生菌を最優占の共生微生物種として検出された。一方で、多様性指数の比較では両者の明瞭な差が観察された。さらに、ミトゲノムに着目すると国内に分布するヤマトチマダニは2つの集団に大分されることが明らかとなった。 マダニ共生微生物とマダニ遺伝子型の関係性を把握するためのマダニ遺伝解析手法の検討として、ヤマトマダニを対象に解析を実施した。ゲノムワイドSNPsを抽出する目的で、Multiplexed ISSR Genotyping by sequencing(MIG-seq)法とGenotyping by Random Amplicon Sequencing-Direct(GRAS-Di)法を用いた。主成分分析の結果から、本邦ヤマトマダニ集団は地域的に維持され、集団間の交雑が少ないことが示唆された。特に、北海道由来マダニ集団と本州以南マダニ集団が明瞭に分離した。GRAS-Di法は分解が進んだDNAサンプルにおいても有効であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マダニの吸血源動物の推定手法については、今後の改良が必要なものの一定の成果が得られた。マダニの遺伝解析手法の検討からは、MIG-seq法、GRAS-Di法、ミトゲノム解読のそれぞれの利点・欠点が整理でき、次年度以降の大規模な解析への基礎情報が得られた。共生微生物の分離や性状解析に有用な実験室維持マダニ株、マダニ細胞についても順調に整備が進んでいる。 以上のことから、課題研究は順調に進展していると評価する。
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今後の研究の推進方策 |
マダニの吸血源動物の推定手法については改良を実施する。また、鳥類など特定の動物群を対象に絞った解析法への展開も検討する。これまでに蓄積した微生物叢データをもとに、マダニ細胞などを用いた共生微生物の分離・性状解析を進める。
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