研究課題/領域番号 |
23K23787
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補助金の研究課題番号 |
22H02522 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
田仲 哲也 鹿児島大学, 農水産獣医学域獣医学系, 教授 (00322842)
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研究分担者 |
岡村 勝友 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (70817733)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2024年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2023年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2022年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | マダニ / 抗酸化分子 / 二本鎖RNA / バイオナノカプセル / RNA殺ダニ剤 |
研究開始時の研究の概要 |
マダニの生存基盤が宿主動物からの吸血・消化にあり、血液消化産生物中に含まれるヘム代謝の過程で、大量の鉄や過酸化物がマダニ体内に放出される可能性が考えられる。鉄や過酸化物から被る酸化ストレスの制御は、吸血・産卵、また宿主への寄生適応の成否を左右する重要な機構である。研究代表者らはその重要な機構を担う抗酸化分子として、フェリチン、ペルオキシレドキシン、グルタチオンSトランスフェラーゼ遺伝子を同定した。本研究では、それらを標的とした二本鎖(ds)RNAバイオナノカプセルを用いたRNA殺ダニ剤を開発することを最終目標とする。
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研究実績の概要 |
マダニの生存基盤が宿主動物からの吸血・消化にあり、血液消化産生物中に含まれるヘム代謝の過程で、大量の鉄や過酸化物がマダニ体内に放出される可能性が考えられる。鉄や過酸化物から被る酸化ストレスの制御は、吸血・産卵、また宿主への寄生適応の成否を左右する重要な機構である。研究代表者らはその重要な機構を担う抗酸化分子として、フェリチン(FER)、ペルオキシレドキシン(PRX)、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)遺伝子を同定した。本研究では、それらを標的とした二本鎖(ds)RNAバイオナノカプセルを用いたRNA殺ダニ剤を開発することを最終目標とする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
組換えFER、組換えPRX、組換えGSTに対する抗体の作製や、RNAiによるFER、PRX、GST遺伝子ノックダウンの確認ができたため。
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今後の研究の推進方策 |
【令和5年度の研究目標】 RNAiによって抗酸化分子の活性阻害を行い、マダニの吸血プロセスの破綻を引き起こさせるRNA殺ダニ剤を開発することを最終目標とする。 【令和5年度の研究方法】 [①FER・PRX・GST dsRNAバイオナノカプセルの作製] マダニ体内での標的遺伝子に特異的なRNAiを惹起させるためには、マダニが飽血・脱皮に至るまで(平均30日)、dsRNAの活性を長期間保持させる必要があると考えられる。この目的のために、リポソームなどのキャリアーを用いて、最も適切なFER、PRX、GSTを組み合わせたdsRNAのリポソームによるバイオナノカプセル化を検討する。 [②FER・PRX・GST dsRNAバイオナノカプセルによるマダニの吸血に及ぼす影響] 最も長期間保持したdsRNAバイオナノカプセルをマダニに浸漬する。その後、ノックダウンしたマダニをウサギに吸血させ、マダニ体内のFER、PRX、GSTの発現阻害の動態をRT-qPCRやウエスタンブロット法で解析するとともに、マダニの寄生率や吸血前後のマダニの唾液腺、中腸、卵巣の変化を形態学的に観察する。 [③FER・PRX・GST dsRNAバイオナノカプセルによるマダニの脱皮・繁殖に及ぼす影響] FER・PRX・GST dsRNAバイオナノカプセルをマダニに浸漬する。その後、ノックダウンしたマダニをウサギに吸血させ、飽血後のマダニ体重、生存率、脱皮率、産卵量、幼ダニの孵化率について調べ、FER・PRX・GSTdsRNAバイオナノカプセルによるマダニの吸血・繁殖に及ぼす影響について調べる。
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