研究課題/領域番号 |
23K23803
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補助金の研究課題番号 |
22H02538 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42040:実験動物学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
廣田 泰 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (40598653)
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研究分担者 |
藍川 志津 東京大学, 医学部附属病院, 特任研究員 (80884577)
赤枝 俊 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (10898084)
清水 良子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (30348643)
平岡 毅大 東京大学, 医学部附属病院, 特別研究員 (20836762)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2023年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2022年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 着床 / 妊娠 / マウスモデル / 子宮内膜 / 不妊症 / 着床不全 / 胚浸潤 |
研究開始時の研究の概要 |
高度な生殖医療技術である体外受精・胚移植の社会的重要性が高まった現代において、良好胚の胚移植反復不成功で定義される着床不全は生殖医療の大きな課題である。本研究は、胚が子宮内膜にもぐりこむ着床過程の1つに着目し、胚浸潤に異常をきたす各種マウスモデルを駆使して、胚浸潤過程の分子機序と着床不全の発症機序を明らかにする。臨床応用を見据え、ヒト着床期子宮内膜検体での遺伝子発現検討を行い、胚浸潤異常による着床不全の分子マーカーの確立を目指す。本研究の成果としてヒト着床不全の新規診断法の確立につながる知見を得ることで、新たな着床不全の治療法開発への発展が期待できる。
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研究実績の概要 |
着床不全は生殖医療の残された大きな課題である。胚浸潤は、子宮内膜間質から剥離した上皮を胚の栄養膜が貪食しながら間質へ浸潤し、初期脱落膜に直接的に接触することで栄養膜が活性化し浸潤能を高めているという仮説を持っており、本研究ではこの仮説を検証し、着床不全の発症機序を明らかにする。本研究により、ヒト着床不全の新規診断法の基盤となる知見を見出すことができれば、将来的に着床不全診療の技術開発へ繋がる。今年度は、野生型マウスの胚浸潤過程の着床部位子宮を用いて、Visium空間的遺伝子発現解析を行った。着床部位の上皮・間質(初期脱落膜)・栄養膜という空間情報をもとに、これらの組織に特異的に発現する遺伝子群を選んで視覚化することができた。胚浸潤異常をきたすHIF2α欠損マウス子宮ではLysyl oxidase(LOX)発現が低下しており、HIF下流分子としてLOXを見出した。子宮特異的LOX欠損マウスを検討したところ、産仔数減少と胚浸潤異常を確認した。胚浸潤過程のLOX欠損子宮を用いて、Visium空間的遺伝子発現解析を行ったところ、LOXと関連する特徴的な遺伝子変化を見出すことができた。また、子宮のEZH2欠損マウスが胚浸潤障害をきたす別のマウスモデルとなることを見出した。組織透明化による着床部位の組織形態評価を行ったところ、EZH2欠損マウスでは着床期の子宮管腔構造(implantation chamber)に異常をきたしていることが分かった。EZH2がPRC2-H3K27me3を介して細胞周期調節因子の発現をヒト着床期子宮内膜において、着床不全患者では不妊治療で妊娠したコントロールと比較して、EZH2が低下していることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り研究進行し、研究成果が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
順調に研究が進んでいるため、今後も計画通りに研究を遂行する。
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