研究課題/領域番号 |
23K23804
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補助金の研究課題番号 |
22H02539 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42040:実験動物学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岡本 郁弘 京都大学, 高等研究院, 特定講師 (40648424)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2026年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2025年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
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キーワード | X inactivation / XIST / カニクイザル / X染色体の不活性化 / SmcHD1 / 霊長類 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ヒト型霊長類のモデル動物であるカニクイザルの体細胞及びES細胞を用いてX染色体不活性化維持におけるXIST RNAの機能と当該RNAとエピジェネティク機構の関連性を明らかにし、霊長類におけるX染色体不活性化維持機構とその確立から維持に至る経路の解明を目指します。
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研究実績の概要 |
本年度はカニクイザルES細胞を用いてXIST KO細胞を作製し、不活性X染色体に特異的なヒストン修飾とXIST及びX連鎖遺伝子の発現状態を解析した。その結果、抑制型ヒストン修飾はH3K9me3以外は全て消失し、不活性X染色体維持に必要なSmcHD1の蓄積は維持されていた。X連鎖遺伝子の発現は解析した8遺伝子中2遺伝子で両アリルからの発現していた。ゆえにES細胞でXISTはX連鎖遺伝子の発現抑制維持に必要である。 SmcHD1の機能を解析するために、SmcHD1とXISTに加えて SmcHD1をさらにKOしたES細胞を作製し同様の解析を行なった。その結果、SmcHD1 KOでは8遺伝子中2遺伝子で両アリルから発現していた。XSIT + SmcHD1 KO では8遺伝子中6遺伝子で両アリルからの発現となった。これらの結果からES細胞ではX染色体不活性化維持にXISTだけではなくSmcHD1も必要であることが判明した。 SmcHD1は不活性X染色体上の遺伝子のCpG islandsのメチル化維持に関与している。XSIT KOとSmcHD1 KOとXSIT KO + SmcHD1 KO ESの不活性X染色体の5mc修飾と脱メチル化プロセスの中間体である5hmc修飾の有無を免疫染色により解析した。その結果、野生型ES細胞の不活性X染色体全体の5mc, 5hmc修飾は共に常染色体と比較して低かったが、XSIT + SmcHD1 KO ESでは常染色体と同レベルに不活性X染色体全体の5mc, 5hmc修飾が上昇していた。さらに、XSIT KOとSmcHD1 KOでも不活性X染色体の一部で5mc, 5hmc修飾が上昇していた。これらの結果からXISTとSmcHD1は共に不活性X連鎖遺伝子のCpG islandsのメチル化を介して発現抑制を維持している事が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
knockoutカニクイザルES細胞の作製にかなり時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は以下の1から4について研究を推進していく予定である。 1)2023年度に作製した各KOES、体細胞における不活性X染色体からの遺伝子発現をRNA-seqを用いて解析する。 2)2023年度に作製した各KOES、体細胞の不活性X染色体ゲノムDNAの5mc及び5hmc修飾をナノポアシーケンスでより詳細に解析し、(1)で得られた結果との関連性を解析する。 3)XIST KO ES細胞の不活性X染色体で5mcと5hmcの上昇が認められた事から、XISTの各機能ドメインを欠失させた変異体を作製し、CpGのメチル化維持に必要な機能ドメイン同定する。 4)(3)で作製した各変異体のX染色体不活性化維持への必要性を解析する。。研究計画では細胞で得られたX染色体不活性化維持機構の新規発見をカニクイザル着床後胚でも解析する予定であったが、近年のカニクイザル個体価格の高騰(600万円/個体)により遂行不可能となった。その対応策として、ES細胞と体細胞を比較することによりX染色体不活性化確立から維持に至る機構の解明を目指す。
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