研究課題/領域番号 |
23K23809
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補助金の研究課題番号 |
22H02545 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43010:分子生物学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山崎 智弘 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 特任講師(常勤) (90732280)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2023年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2022年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | 非膜オルガネラ / lncRNA / 相分離 / ソフトマター物理 / architectural RNA / 非膜性オルガネラ / RNA / パラスペックル / ブロック共重合体 / NEAT1 / ミセル化 / 核内ストレス体 / SARS-CoV-2 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞は、生化学反応を時空間的に制御する必要がある。そのため、細胞は、相分離機構により誘導される「非膜性構造体」を利用することで、複雑な細胞内反応を支えている。申請者は、RNAが必須の骨格となる非膜性構造体を解析し、RNAがその設計図として働き、形成や機能発現を規定していることを明らかにしてきた。しかし、その理解は十分ではなく、体系的な理解には至っていない。そこで、本研究では、ソフトマター物理学や構成的アプローチなども取り入れ、RNAとそのパートナーであるRNA結合タンパク質が構築する非膜性構造体の構造・物性・機能を規定する原理を解析し、多様かつ複雑な細胞内非膜性構造体の作動原理を明らかにする。
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研究実績の概要 |
細胞内相分離は、細胞内の混雑した環境で、特定の分子を集約した区画を作り上げることで、細胞内の様々なプロセスを潤滑に進める重要な機構である。本研究では、RNAが相分離により誘導する非膜性構造体がどのように働くのかを明らかにすることを目的にしている。そのため、RNAによって誘導される代表的な非膜性構造体について、その形成機構を明らかにすることを計画している。本研究で目指す重要な目的の1つが、パラスペックルの形成原理であるミセル化の分子実体の解明である。パラスペックルはこのミセル化の機構を介してコアシェル構造を持つ形態を作ることができる。この解明のために重要なのが、シェルを構成するタンパク質が何かという点である。本年度の解析から、このシェルを構成するタンパク質の同定に成功した。もう1つの本研究の重要な課題は、細胞内相分離の誘導に関わるタンパク質の同定および解析である。ここで使用するのが、独自に確立した人工非膜性構造体実験系である。まず、この系を用いて、核内ストレス体(nSB)の形成に関わるタンパク質の同定を試みた。nSBの主要な構成タンパク質について、相分離誘導活性を調べ、その結果、複数の相分離誘導活性を有するnSB構成タンパク質を同定した。加えて、変異体を用いた解析により、形成に関わるメカニズムも明らかになった。さらに、こうして同定したタンパク質のnSBの形成に対する影響を解析するため、ノックアウト細胞株を樹立した。また、nSBに加えて、SARS-CoV-2 Nucleocapsid(N)タンパク質が形成するviral RNPの形成機構についても解析を進めており、Nタンパク質の必要なドメインの同定およびそのドメインに結合するタンパク質を同定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り、パラスペックルのシェルを構成するタンパク質の同定に成功しており、ブロック共重合体のミセル化という新規の細胞内相分離機構の分子基盤の解明につながる重要な知見を得た。さらに、人工構造体実験系の解析を用いて、nSBおよびSARS-CoV-2 vRNPの形成に関わるタンパク質および形成機構に迫る結果を得ていることからこのように判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後の方針としては、現状の解析を順当に進めていくことで目標を達することができると考えている。パラスペックルのシェル構成タンパク質については、変異タンパク質を用いた解析を進め、同定したタンパク質がどのようにミセル化に寄与しているかを明らかにするための解析を進める。また、nSBの形成機構については、同定したタンパク質のnSB内部での局在の詳細な解析やノックアウト細胞を用いた解析を進め、nSBの形成に必要なタンパク質の同定を目指す。加えて、Nタンパク質のvRNP形成における役割については、Nタンパク質のvRNP形成に必須のドメインに結合するタンパク質のvRNP形成への関与について、解析を進める予定である。
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