研究課題/領域番号 |
23K23820
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補助金の研究課題番号 |
22H02556 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大戸 梅治 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 准教授 (90451856)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2024年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2022年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
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キーワード | ウイルス感染 / 新型コロナウイルス / COVID-19 / B型肝炎 / NTCP / HBV / 胆汁酸 / トランスポーター |
研究開始時の研究の概要 |
本課題ではウイルス感染現象の理解およびその感染制御法の発案を志向した構造生物学的研究を展開する。本課題では、人類の健康にとって重要な問題である、新型コロナウイルス感染症およびB型肝炎ウイルス感染症を対象とする。それらの感染機構やその阻害機構に関してタンパク質レベルでの研究を進める。 本研究は、新型コロナウイルス感染症やB型肝炎ウイルス感染症の新規の治療薬開発に寄与すると考えられる。
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研究実績の概要 |
本課題ではウイルス感染現象の理解およびその感染制御法の発案を志向した構造生物学的研究を展開する。2020年にアウトブレイクした新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は世界中で猛威を振るった。その原因ウイルスSARS-CoV-2に関して世界中の研究者があらゆる観点から研究を進めてきたが、いまだ不明な点が多い。また、B型肝炎ウイルス(Hepatitis B virus, HBV)を原因とする慢性肝炎に起因する肝硬変や肝がんにより世界中で多くの人が苦しんでいるが、その侵入機構に関して不明な点が多い。本課題では次のの2点に関して研究を進める。 1.SARS-CoV-2のmembrane (M) タンパク質によるウイルス粒子形成機構の解明 2.HBVの肝細胞への侵入機構の解明 昨年度までに、1については、Mタンパク質の2量体構造のクライオ電子顕微鏡での構造解析に成功し、論文発表を行った(Nature Communications, 2022)。Mタンパク質の2量体はlong formとshort formの2つの異なる状態を形成することが明らかになった。2つの異なる状態は粒子の形態形成に関与することが予想される。2については、HBVの侵入を仲介する宿主側の受容体として同定されている胆汁酸トランスポーターNTCPのアポ体の構造決定に成功し論文発表を行った(Nature, 2022)。さらに昨年度は、NTCPとHBVのLHBタンパク質のN末端に存在するpreS1領域との複合体のクライオ電子顕微鏡構造解析に成功した(Nature Structural and Molecular Biology, 2024)。LHBのpreS1領域約50残基のペプチドの前半部分はNTPCの外側に開いたトンネルに深く侵入して結合していた。またpreS1の後半部分はNTPCの細胞外表面を這うように結合していた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
NTCPとHBV LHBタンパク質の複合体の構造解析に成功したため
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、Mタンパク質に関しては、構造解析したlong formおよびshort formで創薬標的となりうるポケットに対してインシリコスクリーニングにて薬剤候補化合物を選定し、有望な化合物とMタンパク質の相互作用解析、構造解析を進める。NTCPに関しては、NTCPとHBV感染阻害剤との複合体の構造解析を進める。
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