研究課題/領域番号 |
23K23827
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補助金の研究課題番号 |
22H02563 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
千田 俊哉 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (30272868)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,900千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 3,900千円)
2024年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2023年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2022年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
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キーワード | 転写因子 / LysR / 立体構造解析 / X線結晶構造解析 / クライオ電子顕微鏡 / LysR型転写因子 / 結晶構造解析 / 複合体 / 転写 / LysR型転写制御因子 / 転写活性化機構 / 単粒子解析 / プロモータ / DNA |
研究開始時の研究の概要 |
LysR型転写制御因子(LTTR)は、微生物に最も広く存在する転写制御因子の一つで、ホモ4量体として機能し、60bp近い長さのプロモータのAB SとRBSという認識配列に結合してプロモータDNAを折り曲げる。誘導物質が結合するとLTTRは4次構造を変化させ、ABS上のDNA結合ドメインが スライドしてプロモータDNAの曲がり角度を緩めRNAポリメラーゼをリクルートすると考えられてきた。本研究は、クライオ電子顕微鏡法とX線 結晶構造解析法を併用しながら、30年以上に渡り解明されなかったRNAポリメラーゼのリクルートに必要とされるLTTRの4次構造変化の分子機 構を原子レベルで明らかにするものである。
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研究実績の概要 |
本研究では、我々のグループが長年研究してきたLTTRであるCbnR4に関して、結晶構造解析やクライオ電子顕微鏡(電顕)の解析技術を用いて、(1)CbnR4量体の構造多型解析、 (2)CbnR4量体と誘導物質(ムコン酸)との複合体構造解析、(3)CbnR4量体、誘導物質(ムコン酸)、プロモータDNAとの3者複合体構造解析、(4)プロモータDNA上のABS配列とCbnRのDNA結合ドメインとの複合体構造解析などを達成することを目指している。2年目は1年目に引き続き複合体試料の調製に集中して研究を進めた。初年度には、大腸菌由来のDNAの混入の少ないCbnRを得ることに成功していたが、DNAとの複合体を形成させるために透析を行うと沈殿を生じ収量が非常に悪くなるという問題があったためである。そこで2年目は複合体取得の収率を上げるための検討を行った。その結果、DNA複合体を得るための透析においてindiucer分子を加えることで格段に収率をあげることに成功した。この方法で調製した試料を用いて結晶化を行い、31条件でタンパク質結晶を得た。また、透析で得られたCbnR-inducer-DNA複合体にRNA polymerase(RNAP)を添加して負染色法による電子顕微鏡観察を行い、CbnR-inducer-DNA複合体のみの場合と比較することでCbnR-inducer-DNA-RNAP複合体の形成を確認しようと試みた。しかし、得られた負染色像からはこの複合体が形成されたかどうか判別できなかった。CbnR-inducer-DNA複合体のクライオ電子顕微鏡による観察も行ったが、複合体の粒子は見られず凝集体やDNAらしき繊維状の物が見られた。この結果から、クライオ電子顕微鏡法による構造解析のためには、CbnR-inducer-DNA複合体の安定化が必要であると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
効率の良い複合体の精製方法の確立に予想以上の時間がかかった為、やや計画より遅れている。これは条件確立においてかなりの試行錯誤が必要なためである。しかし、これまでに比べて格段に高い収率で複合体を得られるようになったのは極めて重要な成果であった。これまで10年以上に渡り苦しめられていた最大の問題を解決できたためである。また、クライオ電顕測定用のグリッド作成も難しいことが分かりつつあり、このあたりも試行錯誤を続ける必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度は、これまでに得られた結晶からの回折データを収集し、複合体の結晶を探し出して構造解析を進める。これまでの経験上、得られた結晶の多くのものが結晶化しやすいCbnR4量体(複合体になっていないもの)の結晶である可能性が高く、データを収集しつつ複合体の結晶を探すというスクリーニング的な方法で複合体の構造解析を進める必要がある。またCbnRの多形に関しては既に回折データを取得しているので、これらの構造解析と結晶学的精密化を進める。クライオ電顕による構造解析に関しては、CbnR-inducer-DNA複合体の安定化を行う必要があるため、クロスリンカーを用いた安定化を検討する。安定なサンプルが得られ次第、クライオ電顕による測定を行う。
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