研究課題/領域番号 |
23K23862
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補助金の研究課題番号 |
22H02599 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43050:ゲノム生物学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
竹林 慎一郎 三重大学, 生物資源学研究科, 教授 (50392022)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2022年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | クロマチンドメイン / 染色体 / DNA複製 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,Mbサイズのクロマチンドメインの形成に関わるトランス因子の標的配列探索などを通し,動物細胞におけるクロマチンドメイン形成メカニズムを明らかにすることを目的とする。具体的には,1)クロマチンドメイン構築に必要な最小のゲノム単位の決定,2)クロマチンドメインの境界を決定しているゲノム配列の同定,3)クロマチンドメイン構築に関わるトランス因子と相互作用するゲノム配列の同定を順次進めていく。
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研究実績の概要 |
BAF複合体は,ATP依存的にクロマチン構造を変化させるSWI/SNFクロマチンリモデリング複合体の一種として知られているが,その機能は不明な点が多く残っている。申請者のこれまでの研究で,BAF複合体の遺伝子破壊変異により,活性型クロマチンドメインから抑制型への構造変化を見出している(Takebayashi et al.,2013)。前年度までにBAF複合体依存的に形成される活性型ドメインにおいてBAF複合体の結合が見られるゲノム領域を複数箇所同定し,CRISPR-Cas9ゲノム編集技術を用いてそれらの領域をそれぞれ欠失させた変異マウスES細胞の作製に成功している。今年度は,欠失領域のクロマチンドメイン形成における役割を検証するために,E/L Repli-seq法を用いたゲノム網羅的なクロマチンドメイン解析を作製した変異細胞で行った。その結果,活性型ドメインの形成に関わる候補ゲノム領域の同定に成功した。興味深いことに,ドメイン内に存在する複数のゲノム領域が協調的に働いて活性型ドメインを形成していることが示唆された。この結果を元にさらに欠失範囲を狭めた変異体の作製を進めて検証したところ,数Kbレベルまでドメイン形成に関わる領域を絞り込むことができた。一方で,CRISPR-Cas9ゲノム編集技術を用いて活性型クロマチンドメイン形成に必要な境界領域の同定も試みたが,そのようなゲノム領域の存在を示す実験的証拠は得られなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
クロマチンドメイン形成に関わる機能ゲノム配列の絞り込みに成功するとともに,ドメイン形成の原理についていくつかの新知見が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
クロマチンドメイン形成に関わる候補配列を異所的にゲノムに挿入した細胞株を作製し,活性型ドメインの再構築活性を検証していく。候補配列の部位特異的挿入には,phiC31リコンビネースとattB-attPシステムを用いる。ドメイン再構築活性の検証には,クロマチンドメインを検出できるE/L Repli-seq法を用いる。
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