研究課題/領域番号 |
23K23867
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補助金の研究課題番号 |
22H02604 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43050:ゲノム生物学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
増田 豪 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科(藤沢), 特任講師 (70383940)
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研究分担者 |
宇都 甲一郎 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 高分子・バイオ材料研究センター, 主幹研究員 (30597034)
大槻 純男 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 教授 (60323036)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2024年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2023年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
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キーワード | 1細胞 / プロテオミクス / ハイスループット / 自動化 / 油中液滴 / 高感度分析 / 1細胞オミクス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、ハイスループットな1細胞プロテオミクス技術を確立することである。そのためには、回収率高い前処理方法を可能な限り自動化する必要がある。また、本申請課題では確立した方法の実用性も評価する。そこで、以下の6項目を実施することで目標を達成する。 1) 微小化分析カラムの作製、2) 油中液滴チャンバー法容器の開発、3) 油中液滴チャンバー法容器の評価、4) 液体ハンドリングロボットへの適用、5) 油中液滴からペプチドを回収する方法、6) 赤芽球への適用
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、ハイスループットな1細胞プロテオミクス技術を確立することである。その技術を特定の細胞集団に用いることで、細胞の不均一性と表現型の関係性について明らかにする。1細胞プロテオミクスは、申請者がこれまで構築してきた独自技術である油中液滴法を基盤とする。最終的に、1細胞から1000種類以上のタンパク質を同定し、1000個の1細胞をパラレルに前処理できるシステムを構築する。 本年度は、油中液滴法の手動工程を自動化することを試みた。油として使用していた酢酸エチルをヘキサデカンに変更した。酢酸エチルは揮発性が高く遠心濃縮機で除去しやすい反面、前処理過程で何度も補充する必要があった。ヘキサデカンは不揮発性であるため補充工程が不要となった。一方で、ヘキサデカンは逆相クロマトグラフィー(RP)を用いた脱塩には不向きであった。そこで、RPの代わりにreverse-phase sulfonate (RPS)を脱塩に用いた。RPSを用いることで、消化後のサンプルを直接脱塩に用いることができ、遠心濃縮工程が不要となった。油中液滴法で用いる油をヘキサデカンにしても、Lys-Cおよびトリプシンの消化効率は溶液消化と同等だった。さらに安定同位体標識試薬の標識効率も酢酸エチルもしくはヘキサデカンを用いた油中液滴法で有意な差は確認できなかった。また、酢酸エチルとRPを用いた方法と比べて、ヘキサデカンとRPSを用いた方法では、ペプチドの同定数と回収率は上昇した。本方法を1細胞プロテオミクスに適用することで、前処理工程の自動化が進み、要する時間が25%短縮された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の目標であるハイスループット化は完了しているため。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、導入したインクジェット装置を用いてより高回収率な前処理方法の確立を目指すとともに、開発した技術の実用性を検証するために細胞周期や細胞分化過程における1細胞プロテオミクス解析を行う。
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