研究課題/領域番号 |
23K23872
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補助金の研究課題番号 |
22H02609 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43060:システムゲノム科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
落合 博 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (60640753)
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研究分担者 |
新海 創也 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 上級研究員 (60547058)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2022年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
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キーワード | クロマチン / 転写 / 高次ゲノム構造 / 数理モデリング / ライブイメージング / FISH / 数理モデル |
研究開始時の研究の概要 |
遺伝子の発現制御には、プロモーター・エンハンサーの物理的相互作用が重要な役割を果たしている。しかし、細胞間で高次ゲノム構造は顕著な多様性が認められ、この多様性がいかに個々の細胞での遺伝子発現量の多様性や動態に影響を与えているかについては明らかになっていない。本研究では、マウスES細胞を対象に、DNA/RNA-seqFISHを利用して遺伝子発現状態と高次ゲノム構造情報を多数の細胞から抽出する。さらに、マウスES細胞のHi-C情報をもとに、申請者らが開発した独自アルゴリズムを利用して高次ゲノム構造を推測し、統合的に解析する。これらにより、高次ゲノム構造-遺伝子発現動態の関係性を定量的に解明する。
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研究実績の概要 |
遺伝子の発現制御には、プロモーターと遠位にあるエンハンサーとの物理的相互作用が重要な役割を果たしている。そのため、特定の細胞種では、細胞種特異的な高次ゲノム構造が形成される。しかし、この「特定細胞種の高次ゲノム構造」は、多数の細胞データから得られる「平均的」な構造で、実際には細胞間で顕著な多様性が認められる。この高次ゲノム構造の細胞間多様性が個々の細胞での遺伝子発現量の多様性や動態に影響を与える可能性が考えられるが、技術的な問題から明らかになっていない。本研究では、マウス胚性幹(ES)細胞を対象に、DNA/RNA-seqFISHを利用して遺伝子発現状態と高次ゲノム構造情報を多数の細胞から抽出する。さらに、マウスES細胞のHi-C情報をもとに、申請者らが開発した独自アルゴリズム(PHi-C)を利用して高次ゲノム構造を推測し、DNA/RNA-seqFISHによって得られる情報と統合する。統合情報を元に、さらにPHi-Cによって遺伝子発現状態特異的な高次ゲノム構造を推定する。申請者らが開発した特定内在遺伝子の転写と細胞核内局在を同時に可視化する技術によって生細胞内の高次ゲノム構造動態を定量し、PHi-Cデータの検証及び最適化を行う。これらを通し、高次ゲノム構造-遺伝子発現動態の関係性を定量的に解明する。 本年度は、マウスES細胞を対象にしたDNA/RNA-seqFISHデータを解析し、特定遺伝子の転写活性状態ごとの高次ゲノム構造情報を得た。これにより、転写活性状態特異的な高次ゲノム構造があることがわかった。また、PHi-C解析および生細胞イメージングのデータから、転写活性状態においては遺伝子周辺領域の粘性が上昇しており、それによってエンハンサー・プロモーター相互作用時間が上昇することが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
データ取得および解析は順調に進んでいる。研究によって、想定していなかった転写活性状態におけるエンハンサー・プロモーターの相互作用時間の延長といった現象を見出すことができた。
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今後の研究の推進方策 |
ここまでの解析で、特定遺伝子の転写活性状態特異的に遺伝子周辺環境の粘性が上昇することが示唆された。申請者らは、TetR/TetOシステムおよびMS2/MCPシステムを利用して高精度にゲノム領域と転写を同時に可視化する技術(STREAMING-tagシステム)を確立している。さらに、dCas9-GFPシステムを併用することで任意のゲノム領域(例えばエンハンサー領域等)も可視化できる。そこで、STREAMING-tagシステムおよびdCas9-GFPシステムを併用することで、特定遺伝子の転写活性状態依存的な高次ゲノム動態を生細胞内で検証する。
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